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☆ありがとう…。
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「明くん…明…くっ…ぐすんっ。
泣かないでぇ…?ひっく。
あゆみ…あゆみ…痛いの痛いの飛んでけー…するからぁ…ずずっ。」
俺が泣いているのを見た あゆみちゃんは、ふぇぇと泣いてしまった。
俺の隣で座りながら、ふぇぇん。ふぇぇん。と泣いている あゆみちゃん。
その逆どなりの水樹ちゃんも、あゆみちゃんが泣いているのにつられてしまったのか、「明くん泣かないでぇ」と言って泣き始めてしまった。
俺の隣で俺のために泣いてくれる2人……。
その光景を見た雅人くんは、溜息をつきながら「お前らが泣いてんじゃん。」と呆れながらも あゆみちゃんの頭を撫でた。
あゆみちゃんは、それでもひっくひっくと泣いている。
気づけば駿くんは、水樹ちゃんの頭を撫でていた。
微笑ましいなぁ…。なんて思いながらクスッと笑うと、それにハッとした雅人くんは、途端に顔をかぁ…っと赤くして口をパクパクしていた。
すると、いきなりべしっと音を立てて あゆみちゃんの頭を叩いた。
「べっ!別に、あゆみを慰めたわけじゃないからな!!
こいつ泣くとうるせぇし!!!」
俺を見ながら、頭を叩かれて恨めしそうに雅人くんを睨むあゆみちゃんを指さして真っ赤な顔をしながら必死に訴えていた。
………俺、なんも言ってないんだけどなぁ……。
きっと、雅人くんは、あゆみちゃんが好きなんだろうなぁ……
幼稚園生だから、初恋なのかな……。
素直になれない2人が、とても可愛らしかった。
見てみれば、あゆみちゃんの涙はすっかり止まっていて、怒りながら雅人くんを追いかけ回していた。
水樹ちゃんも、駿くんと楽しそうに お喋りをしている。
こんな小さい子に心配されたんじゃだめだ…!!
「よしっ……!」と心の中で気合いをいれて、5時になるまで4人の面倒を見ていた。
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5時が少し過ぎるくらいになると、4人のお母さんたちが迎えに来た。
「あっ!ママだぁーー!!」
そう言ってニコニコしながら駆け寄っていく4人。
お母さんたちの所に行って、4人が お母さんと少し話していた。
その光景を眺めていると、少しして4人が たたた…っと戻ってきた。
どうしたんだろう…??4人がかけてきたので4人の目線までしゃがむ。
「どうしたの??何か忘れ物かな??」
俺が声をかけると、4人が「せーのっ」と言って
「「「「遊んでくれて、ありがとう!!」」」」
と声を揃えて言った。
俺が驚いていると、
雅人くんが「……まぁ、楽しかったよ。」
あゆみちゃんが「明くん!また遊んでね!大好き!」
駿くんが「今度は、僕ん家に来てね!」
水樹ちゃんが「明くんが悲しかったら、私たちが一緒に遊ぶ!!」
そう言ってとびきりの無邪気な笑顔を見せてくれた。
その笑顔が、少し……俺の大好きな人に似てた……。
俺は、うっかり泣きそうになるのをぐっと堪えて「うん!!また遊ぼう!楽しみにしてるね!」と笑顔で言った。
俺の言葉を聞いた4人はうん!と頷いて「バイバーイ!!」と言って、お母さんたちと帰っていた。
俺は4人と、お母さんたちの夕日に照らされてできた影を見えなくなるまで見つめていた。
手をつないで歩いていく『親子の影』を。
もらった花を手に、見つめていると ある感情が出てきた。
あぁ……今とてつもなく蓮に会いたい。
そんな感情がフツフツと湧き上がってきた。
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