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☆後戻りはできない
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こっぴどく蓮を叱ってから後処理をしてもらい、髪と体を洗って2人で湯船に浸かる……
あったかいなぁ………
ちゃぷんちゃぷんと水が跳ねる音がする。
その音が心地よくて、瞼がとろーんとしてくる……
今 俺は蓮の膝の上に乗って胸に寄りかかっている。
ふぁ……お湯が暖かくて頭がボーッとする……
ぅ………脳みそとけそぉ……
「明…?先に上がるか…?顔真っ赤だぞ?」
俺を見た蓮が声をかけてくれたが、俺は 首を横に振った。
………もうちょっと……わがままだって分かってるし…俺がこんなこと思うなんて間違ってるけど……
もうちょっと……一緒にいたい……
そう思っていると首筋に柔らかいものが当たった
「っ……れ、ん…!?」
驚いているとお腹に手を回されて抱きしめられる。
「ぁ……ぅ………っ」
蓮は、黙ったまま俺の肩に顔をうずめている。
………いつもだったら、頭を撫でたり……したいんだけど……
優しくするのは、蓮には酷だと思った。
「蓮……やっぱ、俺 先に上がる……」
俺が そう言うと蓮は一瞬悲しそうな顔をしてパッと俺の体を離した。
………蓮の温もりを感じてしまうと……俺が挫けてしまいそうで……ダメだった……。
お風呂から上がると、もう8時になっていた。………今日は終業式だったんだよな……
でも学校に行く気にはなれなくて……。
もう少しだけ……このアパートにいたかった。
今思えば、こんなの俺の自己満足だよな……
体を拭き、服に着替える。
リビングに戻ると ふと気づいたペアリング……
お風呂場に持って行ったら錆びてしまうと思って置いてたんだ………つい、いつもの癖で……
俺と蓮を繋ぐものは、もう何もないんだ……
そのペアリングをギュッと握り締めて、首や指には通さずにリビングのテーブルの上に置いた。
テーブルに置くときに聞こえたカチンという音が、俺と蓮を終わらせる音にも聞こえた……。
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