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明の気持ち④和也side
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明の症状が良くなってきたのか、リズムの良い すーすーと気持ちよさそうに寝息をかいていたから、そっと手を離し、涙の跡がある頬を優しくなでた。
……明のそばにいたいと無性に思った。でも、きっと それは俺じゃダメなんだと思う…
よっと立ち上がってキッチンにある食器を洗うことにした。
なんか動かしていないと余計なことを考えてしまいそうになってしまうから
ジャー……と流れる水をただ じっと眺めていた…
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しばらく静かに食器を洗っていると
「か…ずや……?」
という か弱い明の声が聞こえた。その声に反応し、食器を洗う手を止め急いでかけよると 寝起きでうっすらと目をあけている明がいた。
思っているよりも元気そうで思わず笑顔になった。俺ん家よりも病院の方が良かったんじゃないかと少し不安もあったから。
「え、あ、あの、和也…えっと、俺……」
明は何で自分がここにいるかも分からないようでオロオロしていた。
明は体を起こそうとしたが、ダルいのか苦しそうだったから まだソファーに寝かせておいて、俺はその横に座った。
明が「ここは和也ん家だよね…?」と聞いてきたから「そうだぞー」と返し、もうすっかり ぬるくなってしまったタオルを持ってキッチンに向かった。
キッチンから明を覗くと落ち着かないのかソワソワしていて、その仕草にさえ胸がキュンとする。
……抑えろよ、俺……明はそれどころじゃなねーんだからな……
明に分からないように深呼吸をし、紅茶と氷をグラスについで明の元に戻った。
「お前さー、熱中症で倒れたんだよー」と言うと
「熱中症……」と復唱するように明が呟いた。
その時には明は何とか体を起こしたようだったから明の前にあるテーブルにコトンと置いた。
喉が渇いていた俺は紅茶をごくんと飲む。すると明もかなり喉が渇いてたらしく「いただきます…」とポツリと呟いてゴクゴクと紅茶を飲み干した。
「それで俺の家に連れてきたんだー」と明に今までの経緯を説明すると
明は少し考えてハッとした。すると急に しゅん…として「迷惑かけてごめん…」と謝ってきた。
明が謝ることなんかないのに……俺には気を使わなくていいんだぞ…?という思いも込めてワシャワシャと明のサラサラの髪の毛をなでた。
すると明の目には、うっすらと涙が溜まっていて、へへっと微笑みながら「ありがとう…」と言った。
胸がドキン…と高鳴り、思わず抱きしめようとする衝動にかられたが理性を振り絞って何とかこたえた…
それが天然なんだもんなぁ、明は……。
そう思いながら熱を測ろうと明の額に手を置くと驚いたのか、ビクッとなって目を真ん丸くしてキョドっていた。
「熱はないなー」なんて言うと、明は目を泳がせて あぅあぅとしていた。
飲み干したグラスに残っている氷をかじっていて、気を落ち着かせようとしているようだった。
………なんだか、そんな姿を見たら何だか耐えきれなくなってしまって…
明に触れたくて……キスしたくて……
無意識に いつもよりも低い声で明の名前を呼んで頬をなでていた。
明は突然のことに一気に顔が赤くなって、目を潤ませ、汗を飛ばしていた。
拒否してくれればいいのに嫌がらないで そんな可愛い反応したら…止まるはずがなかった。
触れたい……触れたい……触れたい……
顔を徐々に近づけていく。長いまつ毛、綺麗な白い肌が間近で見える。
そしてピンクに染まった頬と唇……。その距離は本当にわずか…
お互いの吐息がかかり、その唇に吸いよられるように俺の唇を……
「…蓮………」
後もう少しというところで……明は日代の名前をポツリと呟いた。
俺が日代に負けた瞬間だった。
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