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☆苦手なもの
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カートの後はクレーンをやったり、太鼓の○人で遊んだりした。
そして、俺のイヤホンジャックには和也がクレーンで取ったキーホルダーが付いていて、ゆらゆらと揺れている。
にこにこ顔の俺に和也は訳が分からないというふうに尋ねた。
「なぁ、明………
ほんとにそのキーホルダーでいいのか…?
もっと他にもいいやつあるぞ?」
「なんで??これがいいんじゃん。」
「いや、だってそれ………」
和也は苦笑いで俺に言った。
??なんでだ?これいーと思うんだけどなぁ…。
俺がイヤホンジャックに付けているのは俺の中ではマイブームのキャラクター。
皆ブサイクブサイクって言うけど、俺はかなり気に入っている。
熊のような形のキャラクターで、色は赤と青がある。
和也がとってくれたのは赤だった。
それに…このキャラクターは蓮が飲み物のおまけで俺に始めてくれたプレゼント……。
あの日は帰った後、にやけ顔で一日中キーホルダーを眺めてたっけ……。
………だめだだめだ。こんな事考えちゃ。気を取り戻さなきゃ……。
そう思って蓮のこと考えてるのは、これで何回目だろう。
だめだなんて口だけ。思っているだけ……。
やっぱり忘れられていない。だけど和也と一緒にいると落ち着くし楽しい…。
もう…頭がグチャグチャ………。周りがうるさい…気持ち悪い………。
「明……!?」
何だか急に気分が悪くなって しゃがみ込んでしまった。胸がバクバクと高なって苦しい。汗が出る・
和也が俺に駆け寄ってぎゅっと手を握る。じわじわと体温が伝わってくるのがわかる。
「か、ずや……、ごめ……」
騒がしいゲームセンターの音が元々苦手なのもあって、今はこの音が凄く頭に酷く響く……。
頭を殴られているみたいでガンガンする……
楽しい雰囲気だったのに、俺のせいで台無しになってしまって…和也に申し訳なくなった。
「っほんと、ごめ………。…っ!?」
俺が言いかけると和也は俺を ひょいと抱き上げた。
「かず……!?」
「大丈夫か…?1回外に出ような!ちょっと我慢しててな…?」
優しく笑った和也は俺の顔をのぞき込んで言った。
周りからの視線が俺達に集まってきているのが分かった。
でも、堂々と歩く和也がかっこよくて、胸が苦しくて、じわりと涙が出そうになった。
和也はいつだってこうなんだ。いつだって……俺を助けてくれる…。
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