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☆会いに行く
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白い傘を手にして蓮のアパートへ向かう。あと少しで……
でも蓮のアパートへ近づくにつれて何だか不安になってくる。
や、やっぱり引き返そうかな………、普通会いたくなんか…ない、よな……。
顔なんか見たくないよな………。
でも、思考とは逆に なんでか足は止まらなかった。
多分…昨日見た蓮の具合が悪かったから心配なんだと思う……。
蓮にとっては心配なんかしてもらいたくないんだろうけど……。
うぅーーーー!!!やめやめ!!!!
蓮に嫌われたって自業自得!!俺が全部悪いんだから!!!
こんな心配なんて言ったって本当は少し気になっちゃう俺が最低なんだから…!!
そう思って割り切らないと自分に自信が持てない気がした…。
そんな考え事をしているとドアの前まで来ていた。
………なんだか、懐かしいな……。
そんなに日にちが経っているわけじゃないのに、不意にとても懐かしくて…悲しくなった。
実際にドアの前まで来ると怖気づきそうだけど、俺は震える手でピンポーン…と鳴らした。
どくん…どくん……。胸が激しく音を立てて汗をかく手で傘をぎゅっと握った。
「…………………あれ?」
出てこない……?どこかに出かけてるのかな…?
もう1回ピンポーン…と押したが、やっぱり蓮は出てこない…。
やっぱ出かけてるのかな……と思って傘をドアノブにかけて帰ろうとすると、パタパタと軽い足音がしてガチャッとドアノブが回った。
っ!? あ、開く…!?蓮いるのか…!
いきなりのことに驚きながら そう思ってピシッと背筋を伸ばすとガチャンと音を立ててドアが開いた。
「はいはーい?言っときますけど、新聞とかはお断り………。」
でも、出てきたのは蓮ではなく…
「…あら……?ピンポンピンポン鳴らすからどっかの新聞屋かと思ったらぁ…随分と可愛い子だったのね~♡」
そう言ってにっこりと笑って出てきたのは…腰くらいまである長いサラサラとした金髪を揺らし、大きな胸が強調されるようながっつり谷間の開いた服を着て、お世辞にも薄いと言えない化粧をして、強い香水をまとわらせている……綺麗な女の人だった。
誰…だろう…………。
「あ、あの……失礼ですが……。あなたは……?」
「あ、そっか!ごめんね~?♡急に知らない人にズカズカ言われてもポカーンよねぇ?
あなたがあんまりにも可愛かったからついね♡
…えーと、そうねぇ~……
私は蓮くんの お友達ってところかしら~」
クスクスと笑いながら語尾を伸ばす話し方をする彼女を見て直感で「あ……。この人は蓮のセフレなんだな。」と思った。
「あ、の……れ……日代くんは…?」
「日代……?え?あの子って日代ってゆーんだぁ~!
下の名前しか知らなかったから分からなかったわぁ~!♡」
…やっぱり………普通の友達なら苗字くらい知ってて当然のはず……。
それを知らないってことは、この人はきっと蓮が浮気してた時の内の1人なんだろうな……。
よく見ると服を慌てて着たのかが分かるくらい着崩れしていているから……。
きっと………蓮とこの人は昨日の夜――――……。
「えーっとぉ、どーしたの~…?
具合でも悪いのぉ~?」
急に俺が黙り込んだもんだから、お姉さんが心配そうに尋ねてきた。
「えっ、あ!な、何でもないです!
大丈夫です!」
いけない、いけない………。俺がいちいち気にしちゃいけないんだ。
あ。そうだ………。このお姉さんに傘渡してもらおう…かな…?
「あ、あのっ!このかっ…「やだぁ!いっけなぁい!私これから用事あるから行かなくっちゃぁ~!」
「え………!?」
「ごめんねぇ、可愛こちゃん?♡
蓮なんだか 昨日の夜の途中からずーっと寝てるのよぉ。昨日、久しぶりだと思ったのに、いざって所で倒れちゃってぇ…
具合悪いのかどうか分かんないんだけどぉ…。私これから行かなくちゃいけないから蓮よろしくねぇ?いいわよねぇ?ねっ?」
「うぇっ!?あ、え、はっ、はい…?」
な、なんか今お姉さんすごい事言わなかった……?いざって所って……。
「うわぁ~!嬉しいっ!私ちょっと看病とかめんどいのよねぇ~♡
可愛こちゃん いーこいーこ!♡」
でも、お姉さんは気にせず そう言ってにんまりと笑って1度アパートに入ると荷物をまとめて服を着なおして足早に去ってしまった……。
嵐のような人だな…………。でも、なんだか不思議と蓮と似てる気がして少し悔しかった。
「じゃ、じゃあ……おじゃましまーす………。」
小声でそう言った俺は傘を持って そろそろとアパートの中へ入って行った…。
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