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★いくじなし
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「ん………」
ズキンズキンと痛む頭を押さえながらむくりと起きると、俺は自分の部屋のベッドに寝ていて……
その横にはシャツ1枚で すやすやと寝息を立てながら寝ているレイナがいた。
俺……昨日ヤったのか…?レイナと……?
それにしては…とシーツをめくるとレイナはきちんと下着を着ているし、俺にはヤった記憶がない……。
キスまでしたのは覚えているのに……。
ゴムだって無くなってない……。
じゃあ、俺…もしかして昨日ヤってねぇのか……?
「……ははっ…」
乾いた笑い声が口から漏れた。明と別れた途端に女すら抱けなくなってんのか……?
冗談じゃねぇよ……笑わせんなよ……。
髪をクシャっと握りしめた。頭と喉が痛い。気持ちわりぃ……。
今何時だ…?そう思って時計を見ると、まだ朝の5時くらいだった。
嘘だろ……、いつもは ほっといたら10時くらいまで寝てる俺が…。
明がいなくなった途端に長い時間 寝れもしないなんて…。
いなくなってから明の大事な存在に気づく。
よく恋愛系の歌の歌詞に「別れてから気づいた。」だの「会いたくても会えない。」だの「こんなことになるなら離さなければ良かった。」だの……。
こんなになるはずないだろ。なんて心の中でバカにしていた。
でも、その気持ちが今になって痛いほど分かるんだ。
明………やっぱり……俺は…。
そう思ってレイナを置いてベッドから起き上がり、フラつく足で明のだった部屋に入った。
そのまま明のベッドに吸い込まれるように倒れ込む。
バフっと倒れ込むとうずくまって明の匂いを探した。
どこにいるんだよ、明…。
明…明………。
その内つぅー…っと頬に涙が流れてきた。
「あ………きぃっ…戻って、きてくれ………。」
なんて自分勝手なんだろうか。
自分が撒いた種なのに。最初に離したのは自分なのに。
明が幸せになんて……、自分が願ったはずなのに……
それが叶いそうになったら やっぱり嫌だなんて……。
それを他の女で埋めようとしたのに出来なくて……。
自分が情けなくて、傷ついて……悲しくて、虚しくて、空っぽで、痛くて……。
もうどうしようもないんだよ。
俺はそれからもずっとシーツを握りしめて泣いていた。
そしてそのまま死んでいくように眠りについた……。
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だから明がこのアパートにいて、うずくまって泣いてるのを見て……
「なに泣いてんの?」
本当は泣きたいくらい嬉しいのは……
しょうがないことなんだ。
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