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☆中途半端
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「なんなんだよ……明!!」
イラついた蓮の声がアパートに響き渡る。その声にビクッと肩を震わせた。
泣いてぐしゃぐしゃの顔で ゆっくりと蓮を見上げた。
そこには、苛立ちと悲しみに満ちているような顔つきをしている蓮が呆然と立っていた。
「ぁ……。蓮……ごめっ…
俺っ……俺っ……」
どれから謝ったらいいかわからず、ごめんごめんと ただ繰り返していた。
「なんだよ…ごめんじゃねぇよ……
期待…させるな……これ以上…俺を惨めにさせるなよ……!!」
蓮の もう少しで泣いてしまいそうな声が響き渡る。蓮の発する1語1語が俺の頭にこだまする。
その言葉に胸がズキンと痛んだ。俺の中途半端な気持ちが蓮を傷つけた…。
きっと…知らないだけで和也の気持ちも踏みにじった…。
蓮もズルズルと壁によりかかりながら床に座り込んで髪をぐしゃっとかき分けた。
俺は何も言えずに、ただ下を向いているしかなかった。
「……。」
「……。」
2人とも黙り込み、無言な時間が流れる…。
俺はグスッ…と鼻をすすった。そのまま膝を抱え込んでグスグスと泣いてるしかなかった。
泣きたいのは蓮のはずなのに、自分勝手すぎる自分に嫌気がさす。
すると、膝を抱えている右腕に違和感を感じた。
右腕に視線を移すと、蓮がいつの間にか俺の右腕を掴んでいた。
「っえ……?」
俺は、なぜだか分からずに蓮と右腕を見つめるしかなかった。
俺の頭には?が沢山あった。
どうしてなのか答えを求めるように蓮を じっと見ても蓮は腕を掴みながら下を向いているから蓮の表情が読み取れない……。
蓮は、今何を考えてるの…?
「……れ、蓮……あの……っ!?」
俺が何かいおうとしたら視界が揺らいでドスッという音がして背中に鈍い痛みが走った。
思わずギュッと目をつぶった。
「ぅっ………」
「………。」
背中が痛くてすこし呻き声をあげた。蓮は黙ったままだった。
そろ……と目を開けると目の前に蓮の顔があって驚いた。
両腕はガッチリ掴まれて蓮の腕1本で頭の上で押さえつけられいる。ギリっと腕が痛む。
体に重みを感じて視線を下にすると、蓮が俺の上に馬乗りのようになっていた。
俺……今、蓮に押し倒されてる………?
そのことに気づくのに少し時間がかかった。
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