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★覚悟して①
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明が泣いてた。
しゃがんで、何故か窓からの景色を見て、泣き崩れるように泣いてた。
「和也ごめんなさい…ごめんなさい…」
他の男に謝りながらしゃくり上げていた。明は俺がここにいることにも気づいてないみたいだった。
華奢で細い肩…サラサラの黒髪…。
いつもと変わらない明が、俺のアパートで俺の目の前で泣いている。俺の近くにいる。
それだけで にやけてしまう口元。
後ろから明を思い切り抱きしめたい…けど、俺は手を出せずにいた。
多分……明が泣いているのは俺じゃないやつのことで泣いているから。
なんだか少し…おもしろくなかった。
ただそれだけだった。
いつからこんなにも独占欲が強くなったんだか……。
最初に手放したのは自分のくせにな。
そうだと分かっていても、明を自分に引き寄せたい。俺しか目に映らなくなればいいのに………なんてな。
これ以上いったら俺…犯罪者じゃねぇかよ。笑えねぇよ……。
少し痛むはずの頭なのに、思っていたよりも冷静に物事を考えられた。
まだ ぐすぐすと泣くに明に声をかけてみようかと思った。
「なに泣いてんの?」
途端にピクリと俺の声に反応した明。
こちらをゆっくりと振り返ると、俺を見て途端に大きな目を目を丸くした。
何を言うかな……なんて予想して明の返事を待ったが…、
明は涙をゴシゴシと拭うと、「寝てなきゃダメだよ!」なんて言ってきた。
質問の答えになってない……。バレないようにしてるつもりなのか…?
バレバレだけどな。あんな泣いてたら嫌でも気づくっつーの。
でも、目の前にいる明は引きつった笑顔で俺に話しかけてくる。
そんな姿までもが愛おしいなんて…。俺もかなり明に依存してんだろうな…。
明が俺の腕をつかもうとしたから逆に明の肩をつかんで、何で泣いてたのかまた聞いた。
それでも明「何でもないよ。」そればかりだった。
明の顔はこっちからは見えない…。
いや、わざと見ないように下を向いてるんだろうな。
明は下を見たまま、じっと動かない。
……こっちから何か言わないとダメか…。
俺は ゆっくりと口を開いて明に尋ねた。
「さっきから和也 和也って……泣きながら謝ってたろ。」
「…っあ………。」
痛いところを突かれたからか明は少し声を上げたが、やっぱり下を向いたままで何だか焦ってるみたいに見えた。
「なっ、何でもないよ…。いいから蓮は早く寝ないと…!
俺うどんとか作っておくから……っ!?」
ここまで聞いても何でもないと明るい声で答える明。
なんでだよ………。俺に弱音まで言わなくなっちまったのかよ…。
明の目に映るのは俺だけでいいんだ。俺だけで……。
そんな思いで明の顔をグイッと上に上げて無理やり目を合わせた。
そしたら思ったよりも顔が近かった。5センチくらいか…。やっぱり…明はいつでも綺麗な目をしてるんだな…。
明……俺は…お前が欲しいよ。
そんな強い想いで明を見つめたら……、
明は俺を求めるような目をしていた。興奮しているような色っぽい目つき…。
下を見ると少し膨れているそれ。もじもじと足を擦り合わせていた。
少し嬉しくなる自分。そろーっと ゆっくりなぞると明は熱い吐息と一緒に小さく声を漏らしていた。
……明……すごい綺麗だ………。
サラサラとした黒髪がキラキラと輝いていて白い肌はピンクに染まって目が欲望にうずまいている。
心臓をギュッと鷲掴みにされて俺までもがゾクゾクする。
そして少しすると我慢できないとゆうように明が背伸びをして目を閉じる。
俺もそれに応えるようにゆっくりと目を閉じて受け入れようとした。
あと少しで明の唇が………
という所で、明はハッとして勢いよく体を離した。
一瞬ポカンとした顔をすると、すぐにギュッと顔を歪めてポロポロと また謝りながら泣き出した。
「ごめっ…なさっ……ごめっ……。」
なん…なんだよ……。
謝りながら泣く明。ぎゅっと肩を抱きしめてガクッと膝から崩れ落ち、ペタリと床に座りこんでしまった。
俺は その光景を呆然と眺めていた。
すると一気に押し寄せてきた頭痛とダルさと脱力感に襲われて壁に寄りかかりながら俺もズルズルと座り込んだ。
「なんなんだよ明……」
思わず口にしてしまった。口にするしかできなかった。
明は………………………
もう俺を受け入れてはくれないのではないか。そんな思いが苛立ちを感じた。
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