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★覚悟して④
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え………………?なんて言った…………?
明は今……俺に何て言った……?
明の言ったことを理解出来ない…というより、明の言ったことが頭の中に入ってこなかった。
明は申し訳なさそうに微笑みながら俺に手を差し伸べた。
俺は頭の中が空っぽで……でも無意識に明の手を掴んだ。
ふと明を見れば、太陽の光が髪の毛に反射してキラキラと輝いて見える…。
明は…いつだって綺麗で細くて弱くて…でも本当は強い。そんな気がいつもしていた。
明の手を掴んだ俺はゆっくりと立ち上がり、ソファーの上に座っていた…。
立っていた明は俺の目線の位置まで腰を低くしてしゃがんだ。
「俺ね…もう、蓮とはしない…。」
え……?なんでだよ………。
明は俺のことが嫌いか…?好きじゃないのか……?
そんな不安が心の中をぐるぐると巡らす。
「嫌いとか、好きじゃないとか……。そういう事じゃないんだ…。」
思っていたことが口に出ていたらしく、切なそうな顔をしながら明はゆっくりと答えた。
「じゃあ…、どういう事だよ……。明は俺のことが好きなんだろ?」
「………うん。今でも好きだよ。」
「じゃあ、なんでだよ。」
「………じゃあ逆に俺達が別れた意味は?」
「え………。」
「俺達は……別れた……。恋人だった関係…。
確かに別れた今でも蓮の事が好き。蓮も俺のことが好き。そんなことは分かってる…。
でも、色々あって、俺は俺に…俺だけに優しくしてくれる和也に心が動いたんだ。
その和也を悲しませる事はしたくない…。蓮、ごめんね…。
元々、俺はここに来るべきじゃなかったんだ…。
ごめんね…。」
明の言っていいることが正論で、
「俺だけに優しくしてくれる和也」
という言葉に胸が傷んだ。
あぁ……。結局、俺の独りよがりで…、自分勝手で…、別れたのにそれを分かりたくなくて明の体を支配すれば俺のところに帰ってきてくれるもんだと思ってた。
明は俺の言うこと、すること、何でも頷いてくれると思っていた。初めからその考えが間違っていたんだ。
明の決心は俺の独りよがりで揺らぐものではなかった。
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