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★覚悟して⑤
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俺に言いたいことを言ったのか、明はニコリと綺麗な笑顔で笑い、俺の手を握った。
「…蓮の手…熱いよ…。きっと熱上がっちゃってる。
ほら…早くベッドに戻らなきゃ…。」
そう言うと明は俺の手を引いてベッドに連れて行った。
頭がボーっとする…。熱のせいもあるけれど、それよりも明の言葉に呆気を取られていた。
別れた…意味…か……。
確かに別れた意味なんか考えてなかった。
高原との幸せそうな顔を見て、虚しくて痛くて悲しくて辛くて……。
それを埋めたくて、でも他のやつじゃ出来ないって気づいて、もっと虚しくなって……。
明がいて、別れてるとか明が泣いてるとか、俺が風邪ひいてるとか……。
そんなもん全部とっぱらって…………。
最後に出たのは、明が好きだから触れたい。ただそれだけだった。
明が欲しくてたまらない。
そんな情けないようで本気で…。でも明には届かなくて…。いや、届いても届かないふりをしていて。
『別れた』
それの本当の意味を今、ちゃんと分かった気がする。
そして、それと同時に、もう明は戻ってきてくれないんだと分かり……。
明に連れられて、いつの間にかベッドに腰かけていた俺は…。
明の目の前で、初めて声を出して泣いていた。
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