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彼
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扉が開く音。
絶望の音。
「っ黒尾さん!」
「何で来たんだよ! お前が来たら意味ねーだろ!」
怒鳴った。
ツッキーはこいつらに傷つけられて、ボロボロになって泣いてたから。
世の中ひどい奴ばっかりで、誰もツッキーを助けてやらなかったから。
もちろん、俺含めて。
「……何で俺の言うこと聞いてくれないんだよ………」
だからツッキーがここに来ないように制御したはずだった。
研磨にも頼み込んで、何があっても家から出さないようにしたつもりだった。
「っ、だって、だって、黒尾さん何も言ってくれないじゃないですか!
これは僕の問題のはずで、なのに黒尾さんが、僕なんかのために、動いたり、っ、ひっ、く……動いたり、するから……っ」
目を見開く。
ツッキーが俺のことを心配してここに来たのにも打たれたし、こんな状況下においてだけれど、意地っ張りな彼が泣き顔を見せたことに心がはちきれそうだった。
「あー、感動の再開してるとこ悪いんだけど!
そこの、何だっけ、黒尾サン?のこと助けたかったら、ちょっとこっち来てくれるかなー蛍くん?」
何をされるか分かっているはずなのに、ツッキーは相手の男たちをしっかり見据えて、でも手を握りしめて歩いていく。
「つっき、」
「黙ってください」
多分情けない顔をしていた俺を振り返り、ツッキーはふ、と笑みを見せた。
「大丈夫だから」
大丈夫じゃないだろ、何で自分の手が震えてるのか分かってんのかよ。
「へー今日はえらく素直じゃん?やっぱり気持ちいこと好きなんだね」
「っ」
毅然とした態度が少し揺らいで、でもツッキーは頬に少し残った涙を拭って彼らに近づいていく。
「……じゃあ始めようか。
淫乱ぶりをクロオサンに見せてあげないとね」
言った男は、性急にツッキーの服に手をかけた。
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