アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
コイツ……!?
-
どうも癪にさわるが。
否が応でも伝わってくる水音の心臓は壊れそうなぐらいドクドクと脈打っていた。
ハッとして水音を見ると、水音は今にも泣きそうだった。流石に俺はやりすぎたと思い、あわてて水音の肩を抱き寄せた。
ヤバい。ヤバい。また泣かせるとこだった。
「…う…つ、かさ…さん…ボク…キライ…ィ…」
「ごめん、ごめん。大丈夫、大丈夫だから!別に嫌いになったとかそういうのじゃないから、な?」
泣くなよォ…。
お前に泣かれるのツラいんだよ、俺は…。
なんか俺、めっちゃ悪いことした気分になるから…。
「……ほんと?」
「あぁ、ほんとほんと」
「じゃあ、…好き?」
「あぁうんうん、好き好き」
お?
腹の優しい圧迫感に視線を下げると、水音が腕を俺の腰に精一杯まわしていた。水音の腕の長さは俺の腰にはギリギリの長さで、水音はそのおかげでギュウギュウと俺に抱きついた。
さっきからやたら甘えんぼなのな…。
っていうか、お前、これ計算してる?
いつのまにか水音の思う通りになっている自分に、疑問を抱いた。
……してるわけねーよなあ。
水音は俺の顔をジーッと見上げている。
なんか満足そうじゃね!? え、計算? ちがうよね、ちがうと言ってぇえぇぇ!! さっきまでお前、泣いてたジャン? ねぇ、そうだよね、水音クン!?
…俺、こんな心の内で叫ぶようなヤツだっけ?
水音は俺の表情から何を読みとったのか、俺と目が合うと少しだけ口の両端を持ち上げた。
「…抱っこ…!」
………。
「司さん…抱っこ…」
「…あぁ、今してるだろ?」
すると、あろうことか水音はフルフルと首を振った。
「え?」
「ボク……が」
「…が?」
コクリ。
………。
………。
………あぁ、自分が俺を抱っこしてるってか?それはちょっとちがうんじゃないか…?
俺のビミョーな顔に、水音はキョトンとしてまた確認するように腰を締めつけてくる。
まぁ………いいか。
………俺、『まぁいいか』多くねぇか?
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
28 / 431