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ココロ side水音
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最近、何かがヘンだ。
何がって、司さんが。そしてたぶんボクもヘンだ。
最近の司さんは、凛太朗さんが家にやってきてから会社でのことを話すようになった。
よく話に出てくる『青史』さんや凛太朗さん、『部長』さんだってけっこう頻繁に出てくる。
だけど、司さんが今まで話してくれなかったことまで話してくれるのは嬉しい。
嬉しいはずなのに、いつだってボクのココロはひねくれてしまう。
いつのまに、ボクはこんなにワガママで、欲張りになったのかな?
一人きりになる昼間にさんざん考えてみたけど、満足できるような答えが見つかることはなかった。
だから、恥を忍んで、聞いてみたんだ。
「僕、悪い子。司さんが、凛太朗さんのこと話すと…イヤイヤします。どうしたらいいですか?
司さん、教えてください…!」
司さんの答えはこうだった。すごく嬉しそうに照れ臭そうに答えてくれたんだ。
「大好き、なんだよ。水音は俺のことが。大好きなんだね」
カチリ。
やっと埋まらなかった空白にピッタリとピースがおさまった。
そっか。ボクは…司さんのことが大好きなんだ。
じゃあ、いつか小説に出てきた『付き合う』こともできるのだろうか。
でも、たとえ『付き合う』ことができたとしても、実はボクはこの先を知らない。
何をするのか、それが一体どういうことを意味するのか、その前と何がちがうのかも。
その小説のヒロインはすっごく恥ずかしそうに、嬉しそうにしてたけど、今、あんまりボクは嬉しいけど、恥ずかしくはない。
ボクと司さんはやっぱり付き合っていないのだろうか。
そう思ったけど、『大好き』という気持ちはまるでオアシスから湧き出る泉のようにあふれてきて。
とりあえずこの気持ちを伝えたくて、ボクは一生懸命司さんに腕を上げたり下げたりして嬉しさを表現した。
その瞬間。
司さんの、目の色が、変わった。
光ったような、瞳の色が薄くなったような…
一瞬しか見えなかったけど、たしかに変わった。
その目に背筋がゾワッとするのを感じた。まるでボクの背中に電気が流れたみたいに。
司さんは少しの音もたてずに、けれど素早く、ボクにぐっと顔を近づけた。
あれ?司さん、なんか、ヘン…?
ボクは拭いきれない違和感を振り払えないまま、結局は司さんを受け入れた。
またひざにのっけてダッコしてくれるのかもと思ったからだ。
だけど、ボクと司さんとの距離はボクが思っていたより近くて、
違和感が確信にかわるほんの少し前、もうすでに目の前の司さんは目を閉じていた。
それからたった数秒後。
ジワジワとくる何か独特の体温と感触に、自分が『キス』されているのだと知った。
やっと司さんの行動に理解できた時、ボクは戸惑うよりも先に舞い上がりたいほど嬉しい衝動に駆られた。
やった! ボク、司さんと付き合ってるんだ!!
嬉しくて嬉しくて、自分からも目を閉じて司さんの体温を感じた。
するとそれがまるでキッカケみたいに、油断しているボクの口の中に、もっと熱くて柔らかいものが入ってきた。
ボクはそのことに驚いて、咄嗟に口内で動きまわる何かから必死に逃げたけど、
なんだか頭がボーッとして気がつくとすでにもう手遅れで。
クチュリ…クチュリ…チュ…
口内で動きまわる何かにボクはなんだか身体じゅうの力が抜けて、身体が熱くなっていくのを感じた。
そしてしばらくして少しなれてくると、それがすごく気持ちいいものだと分かって、ボクは完全に抵抗を止め、司さんを堪能した。
けど、ボクが抵抗しないのがダメだったのか分からないけれど、すぐに司さんは上半身を起こしてしまった。
え、ヤダヤダ…もっと…もっと…
「も、もっと…してください…キス」
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