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デート?
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今のは間違いなく司先輩だった。
自信を持って言える。
隣りにいたのはだれだ?
司先輩よりも頭一つ分大きくて、どこか優しそうな横顔がチラリと見えた。
そして…手をつないでいた。
ショックで、頭がまともに動かない。
司先輩のあのウワサ…ほんとだったんだ…!
ふと思い当たり、駅の改札口を振り返る。
うわ…! 部長、もう来てる!!
ヤバい… 何がヤバいのかは分からないけど、なんかヤバい!!
こんな、手つないでるとこなんて鉢合わせでもしちゃったらどうしよう!
部長、今の見てなきゃいいけど…!
俺は周りの目なんて気にせずに、部長のところへと全力で走った。
「部長!!」
「うん?…あ」
「ちょっと来て!!」
「え、ちょっと、凛太朗さん!?」
俺は無我夢中で部長のカーディガンを引っぱった。
部長は抵抗したけど、そんなのかまわずに俺は近くの喫茶店に押し込む。
やっとのことで部長を押し込んだころにはもう部長は観念したようだった。
「セーフ……」
「はぁはぁ…何がセーフ…ゲホッ…なんですか…ゲホッ…」
ガラス窓に張り付く俺に部長が言った。
…大丈夫。いないよな。
もしかしたら見間違いかもしれないし…
そう思って出されたお冷やを傾け…
「ブホォッ…!」
「凛太朗さん!? 大丈夫ですか!?」
「ケホッケホッ…だい、じょぶ…ッス」
吹くとこだった。
だって、俺らの反対側のテーブル席に、司先輩がいたから…!
連れの顔は見えないが、ニコニコ笑うあの人の笑顔は間違いなく司先輩だ。
幸いにも部長からは2人の姿は見えない。
落ち着け…落ち着け、俺!!
「凛太朗さん」
「はい?」
頭がパニックのまま素直に顔をあげて、俺はハッとした。
いつのまにか、俺の頭の上には部長の手がのせられていて。無造作にクシャリと撫でられたあと、髪のひと束を軽くひっぱられた。
「落ち着いて。あとここ…
はねてますよ」
「……え?」
「ふふ、かわいい」
顔がブワッと熱くなる。
かわ、かわいいって…。
かわいいって…。
そんな、そんな…
そんな、恥ずかしいことをいとも簡単にこの人は…!!
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