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トラウマ side水音
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…!
ボクは言い知れぬ感覚に思わず立ち上がった。
目の前の凛太朗さんや他の人たちみんなの目がこちらを向いたけど、そんなことどうでもよかった。
「み、水音くん? どうしたの?」
全身がふるえるような緊張感を、どこかから感じる。
ボクはできるだけ冷静な声で言った。
「凛太朗さん」
「う、うん」
「司さんのもとへ急ぎましょう。
司さんが危ない」
「は、は?」
凛太朗さんはキョトンとしてさっきまで司さんがいた方をジーっと見ていたけど、
ボクには分かる。
そこには、もう、司さんはいない。
さっきの男の人は司さんと知り合いだったみたいだけどなんだかイヤな波動を放っていた。
そして司さんの波動は今、感じられない。
司さんの波動は乱れに乱れて突然プツリと消えてしまったのだ。
おそらく、気絶か何かで意識を失ったか、最悪の場合…
いや、そこまでの邪悪な波動は感じなかったからそんなことはないはずだ。
そんなとてつもない波動にボクが気づかないはずがない。
「司先輩が危ないって…どういうこと?」
「…決めつけることはできないけど、たぶん連れてかれた。さっきの人に…!」
「は? 部長が? どうして分かるの?」
「…………そんなことは後です。
とにかく、追いかけましょう!」
からだの奥の方で、かすかに水音が聞こえた。
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