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トラウマ
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懐かしい記憶が頭を掠めたとき、誰かがドアを叩く音がした。
「司! 今行くからな!」
誰?…青史?
「あ、青史?」
「チッ…またアイツか」
「また…?」
「あーそうだよ。
あんときもアイツが邪魔をした。
あんたは覚えてないだろうけどさ。
…アイツ何モンなんだよ、この俺をことごとく邪魔しやがって」
「なんだよ…それ。俺、そんなこと知らない」
「だろうと思ったよ。
まったくのろけやがって…」
そう言うと藤本は突然大きな声を上げた。
「あーもうきょうが削がれた!!
やっぱ、やーめた。
アイツ怒らすとロクなことないし、勝手にどこにでも行けば?」
藤本はそう言って、むかしのようににかッと笑った。
「ま、俺があなたのこと気に入ってるってことだけ覚えといてくださいよ。
俺、わりとあんたのことスキみたいですから」
「ちょ、おまえ、そんな、こんなことしといて…!」
思わず身を乗り出したが、ここは反論するべきところじゃない。
開きかけた口を一旦閉じ、一度大きく息を吐いた。
「一応…その、ありがと」
「…そのお礼は何のお礼ですか?」
「え、だから、その…俺も」
「司!」「司先輩!」「司さぁん…」
俺を呼ぶ3つの声に、俺はハッとしてベッドから降りた。
そしてすばやくドアの方へ走っていった。
「あ、ちょ、先輩! 服、服!」
「え、あ!」
「全裸で行く気ですか、もう…」
あ、高校時代んとき、たしかこんな風に世話されたっけ…
世話、よりもおせっかいだけど。
俺は急いで服を引っかけ、そのドアを開けた。
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