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怒りの咆哮 side凛太朗
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…この人はもう、なんというか…最低すぎてかける言葉もなかった。
なにがしたいのか全くもってわからない。
司先輩を襲ったかと思ったら、今度は部屋の中に虎がいるなんてふざけたことを言う。
部長にはボロボロになって泣いている司先輩が見えないのだろうか。
俺は、かなり、怒っていた。
たぶんまわりからはそう見えていないだろうけど、結構頭にきている。
この人が部長だという理性だけが、俺の怒りをいなしていた。
おそらく青史先輩はそれ以上怒っている。
顔が、もう、こちらがビビるぐらい無表情だから。
いつも感情を表に出るタイプの青史先輩が無表情。
付き合いが長い俺でもこんな顔は見たことがない。
基本へらっとしてそうな先輩だけど、部内でも頼りにされるほどに仕事ができる。
青史先輩の無表情を眺めていたら、ちらりと青史先輩がこちらを向いた。
途端に背筋に寒気が走った。
まちがいない。めっちゃ怒ってる。
思わず怒りを忘れかけたほどだった。
かなりぎこちなく目線を反らすと、なにやら部屋の中を凝視してへたり込む男が見えた。
「…水音くんは?」
とりあえず部長を無視する方向にした。
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