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スキなんです。 side青史
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「凛太朗! ごめん、お昼行こうか」
「あーおなか空きましたー」
「はは、そっかそっか」
「えー先輩、テキトーに流してません?」
………今、俺は会議室の前でたぶん、いやかなり不自然に立ち止まっている。
たまたま通りかかっただけなんだけど、なんとなく話しかけようかどうか迷って、でも話しかけられないんだよな…。
お昼は済ませちまったし、今のところ用といった用はない。
だけど、司と気まずくなってから、司はずいぶん凛太朗との接点が多くなったように思う。
もともと凛太朗の教育係をしていたせいもありあの2人でペアを組むのは全くめずらしいことじゃない。
俺が言いたいのはそう言うことじゃない。
なんというか…凛太朗がよりベッタリ司にくっついてるっていうか…。
いや凛太朗はノンケだし、俺の気のせいだとも思った。
だけど、なんか、気になる。
会議室のドアから漏れ出てくる司と凛太朗の楽しそうな声に、俺のテンションは下がりっぱなしだ。
…………………何やってんだ、俺。
フン、と自分を鼻で笑ってドアの前から立ち去ろうとした、その時だ。
「お、おい」
なぜか小声で俺を呼び止めたのは、藤本だった。
コイツ…性懲りもなく俺に話しかけてくんのかよ。
心のなかでこっそり毒づいていたら、藤本はまわりをキョロキョロしながら手招きをした。
あまりに挙動不審なのと、藤本自身の信頼度から思わず不快が顔に出てしまったのだろう。
藤本は少し落ち着ちつかせると、もう一度山口、と呼んだ。
「なんすか」
「い、いいから来てください! 今しかないんス」
……なんで敬語?
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