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転がる運命
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誰かと楽しそうに談笑する司先輩を見たとき、俺は二重の意味で驚き、その直後とても複雑になった。
再会したときから感じていたが、司先輩は変わってしまった。
昔とちがって表情が豊かになったし、何よりよく笑うようになった。
そして、こんなにも司先輩のことを思ってくれる後輩までできた。
そりゃ嫉妬もするし、自分がその立場ならどんなにいいかと思う。
けれど。単純に、見守りたいと感じたんだ。
俺を好きになれなんて言わない。
今さら振り向いてほしいなんて…。
そこで、俺は目にした光景に目を疑った。
司先輩の向かいにいる男性。
よく見れば、ウラノが探してほしいと頼んだ特徴をすべて満たしていた。
さっきの店員の意味深な笑み。
俺はウラノがそんなことをするわけないと思いながらも、頭では最悪の想像をありありと描いていた。
途端に今すぐ立ち上がり司先輩にかけ寄りたい衝動にかられた。
でも、あの店員の笑みが引っかかる。
ウラノはなにか意図があって動いたのか。
それともちっとも進展しそうにない状況にただ急いただけなのか。
わからない。
それにだ。
俺は目の前の凛太郎を見やった。
一般人を巻き込むわけにはいかない。
したら凛太郎はもちろんだが、ウラノも俺にも司先輩にだって影響を与えかねない。
いつの間にか食事の手は止まっていた。
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