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辰巳はそれ以上突っ込んでこなかった。
ありがたいといえばありがたいが、辰巳の性格上少し不気味だ。
たった数日しか関わっていないがこいつは何がどうしてそうなったかを聞いてくると思ってたけど、俺の早合点だったかな。
「とりあえず昼食ってないから食っていい?腹減っちゃって…これ昼夜兼用にするから晩飯は自由に食ってくれるか?」
まあ、そんなこと言わなくても家族じゃないんだし自由に食べるよな。
そう思ったが、優しく笑って分かったよ。なんて言われちゃ、なんかわかんないけど目頭が熱く、…あ?
「え、え!!ちょ、和泉大丈夫か?!どっか痛い?それともなんか…嫌なことされて悲しいのか?あ、いや答えなくていいんだけど、えーとえーと!よ、よしよし…?」
自分でも気付かない間に涙が流れていたらしい。
そんな俺にびっくりしてあたふたしながらもそっと背中を撫でてくれた。
悲しい…?ああ、あいつにキスされて悲しかったのか、俺。
だから涙なんか、
…いや違う。これは、怒りと憎しみだ。
ちょうどいい、相手から暴力を推奨されてるんだ。
お望み通り、たっぷり痛めつけてやるから覚悟しておけよ。
平穏な日々?そんなん知るか、たとえあいつの親衛隊に何かされたってやめねえからな。
俺の目を覚ましてくれた辰巳に礼を言って明日からの勢い付けに弁当を掻っ込んだ。
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