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そうして辿り着いた先にいた人物は昨日俺に制裁をしようとしていた会長の親衛隊の奴とマウンテンジャーだった。
一瞬手の込んだ仕返しかと思ったがなんだか様子がおかしい。
どうやら昨日の件でマウンテンジャーがイチャモンをつけていて、それに対して親衛隊が突っぱねているらしい。
なるほど、おいしい思いするはずがうまくいかなかったもんで八つ当たりって訳か。
まあそもそもけしかけたほうも悪いし、どっちもどっちって感じだけどな。
っと、そんなこと言ってる間に囲まれちゃったよアイツ。
名前なんだっけ、椿だったかな。まあそんなことどうでもいいか。
まさか昨日制裁してきたやつを助けることになるとはな…。
「おい、その辺にしとけよお前ら。じゃねーとストレート喰らわすぞ」
「ああ?なんだお前、一昔前のヤンキーみてえなカッコしやがって。正義の味方気取りかよ、頭イカレてんじゃねーのー?」
ぎゃはは、と下品に笑う連中の標的が一気に俺に向いた。
その隙にこちらの後ろへと隠れる親衛隊。
もっと後ろに行くように伝えて、威嚇するように連中と距離を詰める。
「どっちがイカレてるか…確かめてやろーじゃねーの」
そう言うが否や、へらへらと未だにこちらをなめ腐っている男の顔面に渾身のアッパーを喰らわせ、きれいな放物線を描いて後方へ飛んで行った。
そうしてようやく危険を察知したのか、全員青ざめて気絶している一人を担いで逃げていった。
ふん、他愛もねえ…。
「あ、あの…ありがとうございました…!」
「もう制裁とか馬鹿なことすんなよ。いずれ自分に返ってくんだから、文句があんなら口で言え。じゃーな」
そう言って立ち去ろうとするが、裾をぐいっと引っ張られてその足は止まった。
もしかして声でバレたか…?なんて思うけど、真っ赤な顔でもじもじしてる相手を見れば違うことがわかる。
「すごくかっこよかったです…あの、良ければお名前を…」
名前?なんでそんなもん……、言わなきゃ離してくれなさそうだな。
本名は論外だし、ハンターだと一部には特定されちゃうしな…。
うーん…俺がしてるマスク、カラスマスクだよな。確かカラスは英名でクロウ…いや他になんかいい感じのやつ…あ
「レイヴン」
そうとだけ言って身を翻して風紀委員室へと向かう。
道すがら、流石にレイヴンは厨二すぎたかななんて心配をしていた俺には、きらきらとした瞳でいつまでも俺の姿を見つめていた親衛隊のことなんて想像もしていなかった。
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