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「おかえり~、”レイヴン”くん」
風紀委員室に戻って、すぐさま視界に入ったのは人を小馬鹿にしたようなにやけ面。
それも即興で作った名前付きで馬鹿にしやがるもんだから本気で殺意を覚えた。
即興にしてはいい感じにできた名前だと思っていただけに余計に恥ずかしく、羞恥から赤く染まる顔を見られるのが嫌で、カチューシャで上げられた前髪をおろす。
「勘弁してくださいよ…」
「いや、いいと思うよ~?まさか真面目そうなキミがレイヴンだなんて中二病みたいな偽名名乗るなんて誰も思わないでしょ~。ほらほら、もうじきみんな登校してくるころじゃない?早く真面目ルックに着替えて~」
再度強調するようにその名を口にする風紀委員長は、かなりエセっぽく。
へらへらと笑いながら俺から奪った制服を渡してくるが、なかなかに信用できない。
乱れた服装を整えて受け取った制服に腕を通しながらちらりと風紀委員長を見るといまだに俺を舐めまわすように見てくる。
…いい加減鬱陶しいが、急がないと本当に時間がやばそうだ。
「そんじゃあ、また何かあったら呼び出すからよろしくね~」
その言葉を聞く気がないというように身支度をさっさとすませて早々に風紀委員室を後にした。
…結局は呼び出しに応じなきゃならないんだろうから意味はないんだけど。
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