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『はーい、あ!竹内くんだね、久しぶり~!隣の子はみない顔だけ…ん?あー、君が噂の!よく来たね~、はい!いま開けたから入ってきていいよお~。たしかさっきそっちに佐伯くんが向かったからもういるんじゃないかなあ?じゃあ、またあとでね~!』
「え、え?今のどこから聞こえたの?ってかなんでわかるの?!」
わたわたと分かりやすく驚いてくれるのでちょっと面白い。
監視モニターがあって、向こうからこっちは見えることと横のインターホンみたいなやつから声が聞こえることを教えてやると、また大げさに驚いてくれるから教え甲斐がある。あまり関わりたくないがな!
その説明を終えると鍵の開いたドアを開け、中に入る。
鍵はオートロックなのでそのまま手を放す。
すると目の前にはこの学園で関わりたくないベスト10に入る男が儚げに立っていた。
こちらに気づいたのか万人受けする笑顔を向けて近づいてくる。
「どうも初めまして、柏葉学園へようこそ。僕は当学園の生徒会副会長を務めさせていただいている佐伯 純と申します。本来ならば会長の仕事なのですが生憎入学式やら諸々の準備で忙しく、代わりの案内役としてお迎えに上がりました。今回は理事長室への案内のみとなっていますが向かう途中分からないことがあればその都度聞いてくださればお答えします。それでは行きましょうか。よければそちらの…ああ、すみません。竹内君ですね、君もどうぞ。去年は理事長もお忙しくて挨拶に伺えなかったそうですからね」
うーわー、明らかに迷惑がってるよ。
このくそ忙しいときにくんじゃねえよみたいな言葉がバックに浮かんでるよ。
隠しきれないよそのオーラ!ってか去年案内したの会長なのによく知ってるな。
まあ、役員だし当たり前か。取り敢えず機嫌を損ねると面倒なので、静かに頭を下げて一歩近づく。
「…お願いします」
そしてさっきから一言も発しない辰巳をどうしたものかと振り返る。
するととんでもないことを言い出した。
「アンタ、そのしゃべり方無理してない?もっと気楽に話そうぜ!それに、笑いたくないときは別に笑わなくていいんじゃねーの?…ですか?」
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