アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
◆
-
本日二度目の気絶をしてしまった辰巳を抱えようとした副会長を押しのけて理事長が抱き上げ、中に入っていく。
「ドタバタしてすまないね、起きるのにまだかかりそうだから帰って構わないよ。佐伯君、ここまで案内ありがとうね。竹内君も、きっと助けてくれたんだろう?今度お礼がしたいから、またおいで」
穏やかな笑みでそう言うと同時に理事長室の立派な扉が閉まる。
辰巳と理事長は親戚なんだな。たぶんお母さんが理事長の姉なんだろう。まあ、任せておいて問題はないか。
これから関わることもないだろうし、取り敢えず安心した。
「じゃあ、これで解散ということで。さようなら、お疲れさまでしっぐえ!」
そう副会長に別れを告げて身を翻し、来た道を戻ろうとした矢先に襟首を掴まれる。
「帰しませんよ。君には償いをしてもらわなければいけませんからね」
「はあ?!…っと。ちょっと待ってください。俺は感謝されこそすれ、恨まれるようなことした覚えありませんけどね」
「馬鹿言わないでください、僕と榛のキスシーンを邪魔した癖に何を言ってるんですか。先ほどはあまりのことに呆然としてしまいましたが、思い返せばあそこでキスしていればもっと榛の心に残れたかもしれないじゃないですか。それを阻止されたのは非常に腹立たしいです」
金持ちの考えてることは意味が分からん。
実際あそこでちゅーしてたら逆に記憶からなくされていたと思うけど。
残ってたとしても避けられる対象にされただろう。
「と言うわけで、これから体育館へ行って明日の入学式の準備である椅子並べに参加していただきます。生徒会と委員会しかいなくて人手不足なんですよ。ついてきなさい」
「…、わかりました」
いろいろ言いたいことは山ほどあるがそれをすべて飲み込んで渋々了承すると、すたすたと歩いていく副会長の後ろをついていく。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
8 / 73