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「いやーでも大事にならんでよかったわ~。頭以外に痛いとこないか?ほい、茶でも飲み」
「あ、どうも。おかげさまで、頭の痛みも引いてきました」
処置も終わり、いまはなぜかお茶を入れてもらって雑談に入ろうとしている。
「せやろ?!このオレの氷嚢は作るのも早ければ治りも早いんやで!」
確かに、そう豪語するだけのことはある。
実際形も滑らかで氷がごつごつ当たらなくてじんわり冷えてくるのがちょうどいい。
それにしても絶対見たことあるはずなのに、名前が出てこない。
多分赤頭って覚えてたかも。
確かジョンって呼ばれてたよな…、それはあだ名だとして本名はなんだっけ?
「お、もしかして名前分からんか?酷いなぁ、オレはお前のこと知っとるで。見た目はガリ勉の癖に頭はそこそこなスポーツ特待生の竹内やろ?オレもスポーツ特待なんや、バスケットのな!ちなみに頭はからっきしやけどな!はははっ」
「あぁ、それで思い出した。自己紹介でやたら張り切ってたらしい成平 純斗、だろ。クラスの奴が話してたな、そんで頭そこそこなのは余計だ」
「へぇ、変わっとるんは身体能力だけちゃうんやな。喋ってるとこ聞いたことないけど、案外ふつーに喋れそうやん?これからよろしゅう、うっちゃん」
にんまりと笑ったかと思えば手を出してきた。
そのキツネ目でちゃんと見えてるのが凄い。どういう仕組みなのか気になるけど、そんなんどうでもいい。
腹立って思わず素が出たけど、親衛隊もちと仲良くするとろくなことがないと聞いているので、仲良くするつもりはあまりない。
できれば挨拶も交わさないような仲になりたい。
それが本心だけど、こいつが悪い奴じゃないってのは氷嚢作ってくれたり、お茶入れてくれたりしたので分かっている。
だから取り敢えずならいいか、とその手を握り、お礼も込めて見えないだろうが笑ってみる。
「よろしく、成平。それとうっちゃんはやめて」
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