アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
◇
-
「で!なんでそんなかっこいい髪してんのにカツラつけてんの?」
シャワーを済まし、リビングに行くと待ってましたとばかりに食いつくように問いかけられる。
コイツみたいにマトモな理由じゃないからちょっと言うのは躊躇われる。
だけど、言わないとこいつは納得しないだろうと思い溜息をつきながらソファーに腰を下ろした。
「昔世話になった人にこの髪にされて、気に入ってはいるけど高校では地味に過ごすって決めたからつけてる」
「そーなんだ!…それにしても、見れば見るほど似てるんだよなぁ。あの強いヤツに」
「強いヤツ?」
そう聞いてから失敗した、と思った。
多分、おそらくだけど辰巳の言う強いヤツとはいきなり背後から襲ってきたという男。
そしてきっと、それは俺だ。
もしかしたら恨まれてて、復讐がてら今この場で色んな意味で襲われてしまうかもしれない。
それだけは避けなければ…!
と身構えた瞬間、サッとメガネを取られる。
どれだけ間抜けなんだ俺ー!
なるべく視線を合わせないでいると、視界の隅で辰巳が笑う。
「ま、そんな偶然あるわけないか!明日からようやく学校だし、そろそろ寝よっ!」
そう言ってメガネをそっと掛けると、ぎこちない動きで立ち上がりおやすみっとまくし立てるように言いながら自分の部屋に入っていった。
辰巳の赤い顔の原因も知りたかったが、それよりも脱力感が強く、その日の疲れもあってか俺も部屋に戻りベットへ寝転んだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
47 / 73