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公演後、また道具や衣装の係に舞い戻った藤川だったが、
毎日自分の仕事の傍ら、嬉々として演技の稽古に励んでいた。
あいかわらず「丈さん、丈さん」とまとわりついてくるが、話すことは芝居のことばかり。
あいつにとっては俺=芝居で、それ以上でも以下でもないのかな。
そんなふうに思うこともあった。
まあ、いいや。それでもあいつが芝居を好きでいてくれる限りは、
俺は藤川と繋がっていられるからな。
「気持ちいれて演じるのはもちろん大事。けどわあわあ泣いて、
台詞が聞き取れなかったら、観客になんにも伝わらないだろ。」
「はい。」
「芝居の流れも大事にしないといけないしな。」
「はい。」
「それと。やっぱ体作り。足腰もっと鍛えろ。」
「はい!」
うん、素直ないい子。
まあ藤川にはああいったが、最近俺は体力が落ちたのか、すぐ疲れてしまう。
そういえばこないだ測ったら、体重も落ちてたな。
最近食べてもめっきり肉がつかなくなった。ふん。胃腸が弱ってるのかも。
四捨五入すれば30とはいえ、なさけない話だ。
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