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マコちゃんが思わず地声でうなった。
「すごい。え、ママ、もしかして、わかってて聞いたの?」
ママはかまぼこ目をすっと細めてふふん、と笑うと言った。
「だいたいわかるわよ。ここにいらしてからの様子をずっとみてれば。」
・・・・まったく、この人には頭が上がらないな。
「でももっぺん言いますけど、恋愛対象は女性ですからね。」
「俺だってそうだ。」だった。 今も。・・・・たぶん。
「えーっ。じゃあ、両想いなのにチューもなしなの。」
マコちゃんが唇をとがらせていう。
「なしです。」清々しいくらいきっぱり言うな。
「なんだー。つまんなーい。藤川さん今、全国の腐女子にブーイングされたよ。」
はははは。可笑しそうに笑ってる藤川の顔を、後ろめたい気持ちで見た。
(藤川。すまん。俺おまえにキスしちゃったよ。)
あの朝の、あたたかな感触が、ふと唇に蘇って、口元がほころんだ。ママと眼があう。
ママも、にやりと笑って、人差し指を唇のまえにすばやく立てて見せた。
「ん?」藤川が気付いて俺とママの顔を交互に見たので、二人でハモった。
「なんでもない。」
ママがさっと立ち上がって声を張った。
「んーーーーーー!やっぱ今夜は飲みましょう! 藤川さんも飲んで!
丈ちゃんも、今晩だけは許す!」
「ボトル、持って来ますね!」マコちゃんが跳ねるように言った。
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