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《プライド》2
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(…みずき)
身体だけの関係なら…
こんなに悩まないのに…
BOUSではそうだった…
身体だけの繋がりが当たり前だった…
むしろ…身体しか求められなかった…
みずきだけだから…
セックスさせなくても怒らないし…
離れていかなかった…
オレを性玩具のように見ないのは…
みずきだけ…
こんな誠実で、一途な奴…
オレみたいなのが合うわけない…
本当に…。
起こさないように…
そっと触れて、みずきの手を避けて、静かに起き上がる…
布団を戻して…
みずきが持って来てくれた服を手に、リビングに行こうとする…
「……アキラ、」
小さな寝言…オレを呼ぶ。
(……みずき、ごめん、…ごめんな…)
そう心で謝りソファへと足を進める…
服を軽く纏いながら…思い返す。
昨日、行為の最中に麻痺した両下肢…
オレに合わせて優しく抱いてくれるみずきとも…
薬なしじゃ…無理なのかも…
でも…できるだけ薬は使いたくない…
けれど…麻痺したらみずきに気を遣わせてしまうし…
みずきの好きなだけさせてあげれなくなる…
そういう意味でも、もう別れどきなのかもしれない…
フミヒコとするときは麻痺と発作を抑える薬をのんでいるアキラ…
けど、副作用もあるし、余計な薬は多用したくないのが本音…
「はぁ…」
重くため息が出てしまう…
立ち上がり移動するアキラ…
少しだるさは残るものの、身体はまだ大丈夫そうだ…
トイレを済ませ…
洗面台へ向かい、顔を洗った後…
医療箱からクスリを3種類ほど出して、それらをキッチンの水で飲みほす。
(…オレのカラダ、いつまで持つんだろう…)
自分の身体なのに…先の細かいことまでは分からない。
それが余計に心を焦りイラつかせる。
「……」
テーブルの上に置いてある…
みずきが持ってきた6万円に…そっと触れる。
寝る時間を削ってまで働いて貯めたカネ…
オレを守るため…
みずきのエゴだと言う。
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