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夢は現実に
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両隣を強面の男の人に挟まれ、緊張気味に座っていると、車が止まった。
時間が遅いからか、外は真っ暗で何も見えない。
キョロキョロしていると、いきなり紐のようなもので視界を奪われた。
そして、また抱きかかえられる。
音しか頼るものはないが、足音とドアを開いたり閉じたりする音しか聞こえない。
しばらくすると、何かふわっとした物の上に下ろされた。
「蓮さん、連れてきました」
「あぁ、ご苦労だったな。その目隠し、取ってやってくれ」
「はい」
俺をかついでた男の声と、蓮と呼ばれた人のものと思われる声がすると、俺の暗かった視界が明るくなった。
(眩しいっ…!)
突然の明るさに目が慣れず、目を細めた。
「お前が橘千尋か?」
「…っ!」
いつの間にかすぐ近くにいたそいつに、俺は咄嗟に身構えてしまった。
「そんなに警戒するな。別にお前をどうこうしようなんて考えてねぇよ。ただ、お前が欲しかっただけだ」
だんだんと明るさに慣れてきた目に映ったのは、意味ありげに笑っている男の姿。
まだ20代くらいに見えるのに、纏っている雰囲気が他と違い過ぎる。
それに加えて、その男はすごく整った顔をしていて、俺の目は釘付けになってしまった。
「どうした? 俺に惚れたか?」
「…そんなわけないだろ!」
「ふっ、やっと喋ったな…」
「…っ」
なぜだろう…現状や立場は社長に連れ去られた時とほとんど同じなのに、この人といると安心できる。
「俺が欲しかったって…どういう意味だよ」
「そのままの意味だ」
「は…?」
「俺はお前に一目惚れした。それで、どんな手を使ってもお前を手に入れたかった。それだけだ」
その男は、さらりとそんなことを言ってのけた。
「お前の身も心も、全て俺のものにする。覚悟しておけよ?」
「なっ……んっ…!」
にやりと笑ったそいつは、俺に触れるだけのキスをした。
とんでもない奴だけど、紛れもない俺のヒーローだった。
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