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《12》
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『止めろぉっっ!!!!』
突然目の前に人が現れて驚いた野神は、目を見開いて振り上げた拳を俺にあたらぬよう寸止めさせた。
『っと! ぶねー…
お前、殴られてーの?』
『そんなことよりこの人大丈夫なんですか!?』
倒れた男子生徒に視線を落とすと、痛々しい無惨な顔になって
鼻血まで出して気絶していた。
『ち…血が出てる…
痛そう…ひ、酷いよ。
あんた酷すぎるよ!』
男子生徒を守るように、覆い被さりながら野神を睨み付けた。
『うっせーなぁ。
テメーには関係ねーだろ。
どけっ!』
『嫌だっ! これ以上血を見るなんて嫌だ!』
『見たくねーんならどっか行けばいーだろ?』
『何でこんなこと…駄目だよ…
血なんて流しちゃあいけないんだよ!!』
『ウッゼェーな!
どけつってんだろ!
代わりにぶっ飛ばすぞ!!』
野神は俺の襟首を乱暴に引っ掴んで、脇の方に投げ飛ばした。
『うあっっ!!』
地面に叩き付けられて、少し頭をうった。
俺は痛みに顔をしかめながらも慌てて立ち上がり、男子生徒に迫る野神を追い掛けた。
『お待たせ~。
続き殺ろっか?』
『止めろーーーーっっ!!!!』
野神にしがみつき、渾身の力を振り絞って必死に行かせまいと足を踏ん張った。
『なっ! 放せ!!』
こちらを睨み付けてくる瞳は、獣のような恐ろしい光を放っており、怖さで足がガクガクと震えた。
だんだんと目頭が熱くなっていく。
怖くて怖くて俺の眦から雫が零れ落ちた。
でも、駄目だ。
このままじゃあこの男子生徒が、野神に本当に殺られてしまう。
野神を止められるのは、この場に俺しかいない。
俺が、俺が止めないと!
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