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《14》
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あの時の事を思い出して俺はより一層顔面が蒼白になった。
あの時は怖いとゆーかすげー悲しくて、思い出しただけで気分悪くなったから
忘れるのに必死だったなぁ……
「せっかく忘れてたのに、なんで思い出させるんですか…」
「え~~、忘れてたのかよ?
ひで~~。
運命の出会いだったのになぁ~」
前を歩く野神の顔は見えないが、微妙に肩が揺れていて笑っているということだけは分かった。
ムカつく。
「何笑ってんですか……
あんなのが運命の出会い?
運命の出会いってゆーのは、
もっとキラッキラしてて、ドキンドキンするもんですよ。
あんなの運命なわけない!」
「…お前は少女マンガの見すぎだ。
あ、ここでいっか」
「おわっっ! ブフッ!
いてて……」
突然立ち止まった野神にまたぶつかってしまった。
俺は眉間にしわを寄せて、鼻をさすりながら野神を睨みつける。
「突然止まらないで下さいよ!」
文句の言葉を綺麗に無視して野神は、普段滅多に使われることのない被服室に入っていく。
「被服室?
ここに何のようなんですか?」
防虫剤の匂いが漂う被服室に踏み入りながら、あたりを見渡す。
ある一角のスペースに一際目立つ真っ赤な衣服が
沢山ハンガーにかけてあるのが目に映って俺は、
思わず笑みを零した。
「ハハ…何笑ってんだか……。
のんきな奴」
そう呟いてから野神は、素早い動きで俺を壁に叩き付けた。
「イッッツウ……
何する一一一」
俺は言葉を最後まで発することが出来なかった。
何故ならそれは、
野神の熱い唇で…。
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