アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
《16》
-
その悲しそうな微笑みを見た途端、心臓がドキリと音をたてた。
この人、なんでこんな悲しそうな顔するんだよ?
てゆーか野神は皆から恐れられてて、人を簡単に殴れる最低男な筈なのに、なんでそんな顔するんだよ?
意味が分からなくて、そんな野神の顔を見ていたら苦しくなって、思わず目を逸らした。
すると両手で顔を包み込まれて、また彼の方を向かされる。
「お前の泣き顔を見ると、なんか胸の辺りが変になるけど……それでもずっと見ていたいんだ」
俺の泣き顔を見たら胸が変になるのに、なんでずっと見てたいんだよ?
可笑しいだろそれ……
「俺、お前の泣き顔好きだわ。
ずっと見てていいか?」
似合わない悲しそうな、それでも優しさを含んだような声で言われて、何故か顔が熱くなっていく。
居た堪れなくなって無理やり顔を逸らそうとすると、それよりも強い力で阻止されてしまった。
「み、見るなよ!」
「他人のためにあんなに泣いて、必死にしがみついたりしてバカだこいつって思った。
けど俺、お前の泣いた顔好きだとも思った。
あの時お前じゃなくて別の奴が止めに入ってたら、そいつのことも殴ってたと思う。
お前だったから……
俺はお前が好きだ」
そう言って野神はさっきとは違う、優しい 触れるだけのキスをした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
17 / 26