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40.✧いたずら
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✧✧✧✧
家に帰ってきて、旭に聞こえるようにただいまを言っても返事はなかった。もうすでに遅い時間だったし寝ているのかと思ったけど、リビングのドアガラスからは明かりが漏れていてまだ起きているのが分かった。
「ただいま……って、何してんの旭」
旭はテレビの横にある大きめの棚の前でここからでもわかるくらい顔を真っ赤にして立ち尽くしていた。足元を凝視してるから何かあるのだろう。
「あ、えっと、えっと、おかえりなさいっ!」
こちらを見ずに早口で言う旭はどこか慌ててるようだった。
あの棚の上中段には俺のお気に入りのDVDが並べてある。その中で何か見たいものでもあったのかと思ってそう聞くと、思いっきり否定された。
違うのか……。そこにあるやつ、俺のお気に入りだしオススメできるものなんだけどな。ちょっとヘコむ。
でもよく考えたら、一緒にそこにあるDVDを見るし旭からもこれが見たいとか言われたことある。だから顔を真っ赤にする理由もないよな?
…………ということは下段に置いてあるやつか。
あの棚の一番下段に置いてあるDVDはいわゆるアダルトビデオと呼ばれる類のものだ。
ただし俺のではなく全部前の旭が買ってきたもの。前の旭と違い今の旭はそういうのに全く免疫が無いからあんな風になってるのだろう。旭には失礼だけど超面白い。そして可愛い。
俺の中で歴代の旭と一位二位を争うくらい今の旭は可愛かった。
あそこにあるAVは軽いものからそれこそマニアックなものまである。
前の旭は『研究』とか意味のよくわからないことを言ってバランスよく揃えたらしい。一応マニアックなのは奥に置いてあるから旭が手にとったのは手前にある軽いものだろう。
きっと旭はそんなものがリビングに置いてあるとは夢にも思わずに手に取り、AVだと知って驚いて落としたってところか。他人がどうしてるかは知らないけど、ああいうやつって普通はリビングに置かないようなものだろうな。
パッケージを見たくらいであんなに真っ赤になって固まるとか純粋だな、と思いながら可愛い旭を眺めていると、少し今の状態の旭にいたずらしてみたくなった。……柚里にも『旭と向き合え』って言われたばかりだしね。
さっそく実行すべく、自由に見ていいと伝えドアを閉めた。もちろん俺はまだリビングにいる。足音を殺して旭に近づいていくと、思ってた以上に旭の顔が赤いことに気づいた。
…………ああもう、本当に可愛いな。
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