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41.✧熱い視線
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✧✧✧✧
背後に周っても旭は俺に気づくことはなかった。きっと今の旭の頭の中は目の前にあるソレをどうしたらいいのか悩み混乱しているんだろうな。
「旭、大丈夫?具合悪い?」
「うわぁぁぁあっ!!楓さん!?」
驚かしたこっちも驚くくらい旭は心底驚いたようで目に涙を浮かべていた。何度か驚かしたことはあったけど今までで一番驚いてたんじゃないか?
旭は後ろ手に思いっきりAVを隠したけど、残念ながらそんな風に隠してもバレバレだ。へぇ、フェラものね……。
「なに隠したの?AV?」
「ひっ!?な、んも隠してないですっ!」
AVを隠すのに必死な旭とそれを見て笑いを堪えるのに必死な俺。旭の反応が面白くてついついからかい過ぎてしまう。旭は頬を真っ赤にしながら薄笑いの俺を睨みつけてきた。うん、可愛い。
自分でも旭に対しては結構なサディストだと思う。旭を見ているとちょっかいを出したくなるというか加虐心を煽られて虐めたくなる。
ふと、旭は睨むのをやめて心配そうな顔になった。
「……?楓さん、ほっぺどうしたの?」
ああ、すっかり忘れてたけど、俺さっき柚里に叩かれたんだよな。まだ少し赤いと思う。
旭は俺に鼻を近づけてスンスンと匂いを確かめた。酒でも飲んで来たんじゃないかと思ったのだろう。でも俺は酒なんて飲んでないから匂いなんてしないし、旭はなぜ俺の頬が赤いのか考えているようだった。
そこで柚里の名前は伏せて叩かれた事を説明すると、旭は更に心配そうな顔をして俺をソファーに座らせた。今は痛くないしどうってことないんだけど……。
「痛い?冷やせばマシになるかな?ちょっと冷やすもの持ってくるね」
気にしなくていいのに、と言ったけど旭はどうしても気になるようなので好きにやらせることにした。旭は前から世話焼きだったけど、それは今も健在らしい。
手に持って隠していたAVのことはすっかり頭から抜け落ちていたようで、テーブルに置くと小走りでリビングから出ていった。それを棚に片付けてあげて、また大人しくソファーに座って旭が戻ってくるのを待った。
旭はハンドタオルを冷たく濡らしてきて、隣に座りそれを俺の赤い方の頬に当てがった。
冷たくて気持ちいい。最近寝不足だったのと柚里に相談して悩み事がすっきりしたのとで、体から力を抜いて目を瞑っていると寝そうになる。
しばらくするとタオルが外されたのか少し湿った頬が部屋の空気に晒されてひんやりした。
旭の熱い視線を感じる。今こいつは何を思いながら俺の事を見ているんだろう。普段の俺なら流すとこだけど無性に気になった。
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