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94.✧キスマーク
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✧✧✧✧
「ねぇ、楓さん。これ、何?」
「これって、どれ?」
「キスマークついてるよ」
「は!?」
やっと動けるようになった旭とソファーで寛いでいると、いきなりそんなことを言われて、ツーっと指先で襟足を撫でられた。
急いで洗面所に行って撫でられたところを鏡で見ると、旭に付けられた傷の他にうっすらとキスマークが付いていた。
結構キツい体勢をとらないと自分からは見えないような場所だ。
昨日旭にキスマークは付けられてないはずだし、このキスマークは消えかかってるようだ。いったい誰がこんなものを………。
ここ最近、旭以外とキスマークを付けられるような事はしてない。五日前に静輝と一度そういう雰囲気にはなったけど付けられてはいない。
キスマークを付けた犯人に心当たりがなくて一人頭を悩ませていると、洗面所にムスッとした旭がやってきた。こいつもこいつで、よく消えかけて薄くなったキスマークに気付いたよな。
「そんなとこに、誰に付けられたの?」
「俺も知りたいよ………。全く心当たりがない」
「ふぅん………」
旭は俺の襟足をじっと見つめたまま少しの間何か考え込んでいた。
そして、何を思いついたのか俺に近づいてきて後ろから抱きついてきた。
「気に入らない………」
「何、キスマークが?」
「……キスマークも、それを付けた人も、付けられた楓さんも………、キスマークごときにモヤモヤしてる自分も、全部気に入らない………」
可愛い独占欲を包み隠さずぶつけられて思わず笑みがこぼれた。そのモヤモヤが独占欲だという事に本人は気づいているのか分からないけど。
「俺にも、キスマーク付けさせて………?」
可愛いらしく強請られて一瞬理性が崩壊しそうになった。朝から盛るのは良くないな、とその頼りない理性を総動員して堪える。
「いいよ、付けて」
つけやすいように首を傾けてやると旭の熱い吐息がかかる。鏡越しに旭と目が合ったから微笑んでやると旭は顔を真っ赤にした。
やばい、超可愛い………。
ちなみに、前の旭はキスマークを付けるのが下手だった。
毎回、何度やっても小さい虫刺されの跡みたいにしかならなくて、それが不満らしく決まって最後は噛み付かれる。
「ほら、早く付けないの?」
「つ、付けるよっ!…………んっ……はぁ………ふ、ん………」
今の旭もなかなか上手くいかないみたいで、さっきから耳元で吐息ばかり漏らしている。
これ、結構クるな………。
「………はっ……はぁ、だめ、無理……。薄いのしか付かない…………」
「でもちゃんと付いてるよ。ふふ、ありがとう」
旭が一生懸命吸ってた部分を確認すると、薄いけどちゃんとキスマークが付いていた。
さて………せっかく旭が頑張ってキスマーク付けてくれたんだから、俺も少し頑張ろうかな。
「お礼に、俺も旭にキスマーク付けてあげるね」
「え、ちょっとっ!楓さん!?ぁ、んっ……!」
洗面台の隣にある洗濯機に旭を押し付けて、やけにいい匂いのする首筋に俺は顔を埋めた。
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