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135.✧怒ってない
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✧✧✧✧
旭の気持ちを吐き出させて、全部受け止めた。
真っ白な旭の心にも独占欲や嫉妬の感情がある事を知って安心した。ちゃんとした欲求があるのはいい事だ。
お互いの気持ちを再確認するのと共に、その時その時に思っている事を伝えるという約束をした。
前の旭とも同じような約束をしていて、お互い守れていたから今の旭も大丈夫だろう。
考えや意見をすり合わせるのは一緒に生活していく上で大切だ。相手と考えが違っていたらお互いが納得するまで話し合えばいい。
まあそんな事を言ってはみたものの、旭とは思考回路が似ているのか日常生活で意見が衝突することは滅多にない。あるとすれば、今日みたいに自分の気持ちを隠した時くらい。だからこその約束だ。
独占欲とか所有欲とかやきもちとか、そういうような自分の感情を人に見せるのは勇気がいるけど、俺は旭になら見せても見せられてもいいと思ってる。
自分のせいで可愛い恋人が考え込んで悩んでいるなんてすごく微笑ましいじゃないか。
「……楓さん、その写真、勝手に見ちゃってごめんなさい」
「ああ、見られた事に関しては特に何も。こんな写真があったのがいけないわけだし」
「えっ、じゃあ他のことで怒ってたの?」
「怒るもなにも、最初から怒ってなかったけど?」
ただ旭にこの写真についてどう説明………言い訳しようか悩んでいただけだ。結局その必要もなかったけど。
淡々とした口調に怒っていると勘違いしたのだろう。
「そ、そうだったの………?俺、写真見ちゃったから怒られてるんだと思ってた……」
「随分と前のやつだから、見られても構わないんだけど。でも、嫌な思いをさせたことに代わりはないね、ごめん」
「いや、全然、大丈夫…………」
「………………」
二人とも続きの言葉が出てこなくて会話がそこで途切れてしまった。
ちらりと旭を見るとばっちり目が合った。一瞬で頬を赤く染める旭が可愛くて自然と顔が緩むと、つられて旭もふにゃりと笑った。
……ああ、もう、ほんと超可愛いな。
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