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177.✧拗ねる
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✧✧✧✧
「旭」
「……………」
「……あさひー」
「……………」
毛布に包まって俺に背を向けた旭は、いくら呼びかけても返事をしてくれない。完全に拗ねてるな……。
旭が一度イった後見計らったかのようなタイミングで桜姉から電話がかかってきた。
今日はいつもより少し早めに寝室に入っていたけど、そんなことを知らない桜姉はまだ起きていると思ってかけてきたんだろう。
用件はさほど重要なことではなかったからメールでも良かったのに。
桜姉との電話を終えて寝室に戻って来ると、旭がベッドの端っこで毛布に包まっていた。そして今の状況に至る。
電話に出たのがいけなかったのか、もしくはその前の行為が嫌だったのか……。心当たりはたくさんある。いや、たくさんあるのもどうかと思うけど……。
とりあえず旭の機嫌を直してもらわないとヤれることもヤれないし、さっきのだけで旭が満足するとは思えない。せっかく桜姉がいないんだから最後までヤりたいとこだ。
「………あーさーひー……」
「……………」
「………あっくーん……」
「………、…………」
抱きついてあだ名で呼ぶとぴくっと毛布が動いて旭が振り返った。むすっとした表情で目を合わせようとしないところとか、全身で不満を表していて微笑ましい。可愛い可愛いと頭を撫でると、旭は俺の胸に頭をぐりぐりと押し付けてきた。
「旭ー、機嫌直して?」
「……別に、機嫌悪くない……」
「じゃあどうしたの?」
「……………」
やっと口をきいてくれたと思ったけど、まただんまりを決め込むつもりか……。
旭の頭をぎゅっと抱いて髪に顔を埋めると、旭も俺の背中に手を回してきた。機嫌悪かったらスキンシップを拒むはずだし、俺が思ってるほど悪くないのかな?
「俺のおねがい、嫌だった?」
「……………」
「あーさひー……」
「…………やじゃ……なかった……、けど」
「けど?」
「はあ…………俺、楓さんの声で……イっちゃった……」
深刻そうにため息をついた旭が一言ずつ区切って確かめるように呟いた言葉に、くらりときた。こいつは俺をどうしたいわけ……。
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