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2.偽りの口調、偽りの笑み-6
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でも、チラッと見てしまうのは、やはり男の身体には興味あるからだ。
だって、こんなにも良い身体を、こんなにも近くで拝見する機会はあまりない。
「ふっ、そんなに俺の身体見てて楽しいですか?」
「え……? あ、ごめん……」
どこから見ているのか。
背中を向けたままのくせに、夏は三善が見詰めているのに気付き、そんな事を言って来る。
「なんて、俺は嬉しいですけどねー。ストリップの趣味はないっすけど」
夏はシャツを脱ぎながら、豪快に笑った。
その笑い方が芸能人ぽくなくて、なんだか笑えてくる。
「良い身体してるのに勿体無いね」
なんて笑いながら言ってしまうほど、初対面の夏に対し、心が開けてしまう。
不思議だ。
「まぁ、外の企画ばっかり引き受けてるんで自然とこんな身体になっちゃうんですよね。一週間前はジャングルに行って自給自足で三日間くらいいて、その前はプロのサッカーチームの練習に参加して、みっちりしごかれて……。そんなのばっかりなんです」
「す、すごいね……」
それは本当にアイドルの仕事なのだろうか。
そう思わせるほど、その企画の内容に三善は驚いてしまう。
「でも、俺、結構そう言うの好きなんで良いんですけどね。そう言うのは俺の担当だし、辛くても、楽しんだもんが勝ちって言いますし」
夏はニコッと笑みを向けて、三善にそう言った。
その偽りの全く無い笑みに、心が痛む。
(無垢ってこう言う奴の事を言うのかな……)
自分とは正反対の夏を見て、そんな事を思ってしまう。
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