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3.三善の心を作った奴等-1
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この世に生を受けてから今まで、誰かの一番になった事はない。
産みの母は、金だけの欲しさに愛人の子、三善を産み、政治家だった父を三善を使って脅して金と引き換えに、三善を渡した。
そして、三善は父に引き取られた後、本妻の家で暮らす事になり、一人っ子だった三善は一気に三人兄弟の末っ子へと変わった。
けれど、その差は大きく、本妻は三善を愛してはくれず、四つ上と二つ上の兄ばかり愛をしていた。
兄達も三善を可愛がる事はしなかった。
けれど、三善が成長し出すと、二人の目の色が変わった。
どこか危なげで、三善の事を性的な意味で見ている気がした。
その熱い視線は、まだ心が大人になっていなかった三善にとって恐怖しかなく、家に帰るのが怖かった。
でも、そんな時、一人の先輩と出会った。
その先輩は生徒会長で、校内一人気があり、人望もある人だった。
そんな人に誘われ、三善も必要とされる事が嬉しくて生徒会に入り、苦楽を共にする日が続いた。
仕事は楽しいだけではなく、時には面倒臭い事もあった。けれど、先輩はそれらを顔色変えず熟し、黙々と一人頑張っていた。
そんな姿を毎日見てて、三善はある事に気付いてしまう。
それは、先輩が副会長である同性の男に恋をしているという事だった。
本人は誰にも気付かれていないと思っているが、三善だけはそれに気付いた。
だって、毎日先輩を見て来た。
三善の相談を親身になってくれる先輩は、三善にとって心の拠り所だったのだ。
だから、そんな先輩の想いに気付かない三善ではなかった。
気付いてはいけないと思いながら、周りを見る能力が誰よりも高い三善は、知ってはいけない物も知ってしまい、それを一人心に秘める事が多くあった。
その一つが、先輩の副会長への想い。
そして、副会長が男の教師とできている事も三善だけは気付いていた。
先輩はそんな事に気付かず、密かに副会長を想い続けていた。
でも、その副会長への一途な想いを見て、三善は羨ましくもあり、素敵だなと思ってしまう。
この時の三善は、まだ恋や誰かを好きになると言う事が分からなかった為、そう思う事が分からなかった。
家族の愛を受けた事がない三善にとって、誰かを一途に想い続ける人間が珍しかったのかもしれない。
けれど、その全てが崩壊する日が直ぐに来てしまう。
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