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3.三善の心を作った奴等-6
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それが三善の逃げ道だった。
身体は逃げられないけれど、心は逃げる事ができる。
何も考えない。
何も喋らない。
何も感じない。
そんな状態が続いた。
そして、ついに兄達が三善の身体に満足した時、兄達が部屋を出るのが分かり、ようやく三善は現実に戻った。
三善は、天井を見詰めていた視線を自身の身体に向けようと、節々が痛むのをグッと堪え、ゆっくりと上半身を起こしてみた。
身体は重く、アナルの痛みが半端では無く、一日、いや、二日三日は動けないと分かった。
身体は自身の汗と無理矢理出された精液と、二人の大量の精液でベタつき、嫌な臭しかしない。
本当は、早く身体を洗いに行きたかったけれど、そんな気力は無くて、もう、どうでも良いとさえ思えてしまう。
そんな精神状態に陥るほど、三善の身体も心もボロボロだった。
けれど、唯一の救いは先輩とのセックスで、あのセックスがあったから、三善は兄達からの暴力的なセックスに耐えれたのだと思えた。
ーーーこんなにも…違うんだ………。
誰かを一途に愛している人間と、愛していない人間。
その差を、三善はこの短い間で身体で味わい、痛感した。
そして、この時に覚醒する。
ーーー叶わない恋をしている人間ほど、素敵な人間はいない。
そう思った三善は、他の人間と異なった基準で抱かれる相手を決め始める。
それはたぶん、褒められる事でも、尊重される事でもない。
そんなの自分が一番知っている。
けれど、その考えが揺るがない。
いくら最低な男に引っ掛かっても、兄達からされた事に比べると耐えられる事だったし、自分の身体を大事にしているわけでもないので、傷付く事は無かった。
落ち込む事はあっても、先輩とのセックスを思い出せば頭が次に向けた。
でも、何故だろうか。
あの男、宮本夏に見詰められると、この身体ごと全て消えたくなる衝動に駆られるのは。
見透かされたくない。
こんな自分を見られたくはない。
生まれて初めてそう思う。
それは、夏が三善が今まで見て来た人間とは違うからだろうか。
汚れなき男。
無垢で、真っ白な男。
そんな男だから、そう思うのだろうか。
三善には全く分からない。
分かりたくもない。
三善は、次に夏に会うまで、そんな考えをずっとループするのだった。
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