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7.味わった事のない感情-3
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夏はとにかくよく喋る。
それは子供のように、犬のように、楽しそうに、嬉しそうに、満面の笑みでよく喋る。
その時、絶対に視線は外さず、こっちの目を見ている。
そんな人間稀にいない。
「……まさか、三善さんが担当になるなんてって思いました」
「え……?」
突然のその言葉に、三善は動揺してしまう。
「いや、すみません……。俺と仕事するの気不味いかなって思ってたんで……」
壱成はそう言うと、また気不味い雰囲気を纏ってきた。
「前の時は……秋幸や春羽の方を担当してたみたいで…会う事は無かったから……」
「うん…そうだね……」
「今回は俺達全員と関わる事になってるから……三善さんは俺を避けてこのオファー受けないと思ってました……」
壱成はそう言うと、小さな声で「すみません」っと謝ってきた。
「壱成君が謝る事じゃないよ。僕も最初はどうするか悩んだけど……でも、こんな大きな仕事断る理由も無くて……引き受けちゃったんだ」
それは本当だ。
この仕事を引き受けて壱成と気不味い事になると思っていながらも、三善は引き受けた。
「仕事は仕事だし、こう見えて僕もこの道長いから、そこはハッキリしてる。だから、気にしないで」
こんな空気、夏が来たらどう感じるだろう。
鈍感な部分があるあの男は、別に気にしないかもしれないが。
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