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役立たずな反抗
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待たない
思ってたのに、俺は衛門堂百貨店の大鷲のオブジェの前で待機していた
だってさ
チョコレート買えちゃったんだ。
並木の案内で列を作った女性達は騒ぐこともなく、順番を待っていた。
限定チョコレートを買えると分かったら
並木に助けてもらったことが、なんだか恥ずかしくなってきて。
それでつい二個買ってしまったんだ。
買ったなら渡さなきゃいけないし
だから渡したら帰る!
絶対帰る!
「吉見。」
少し笑いの含まれた並木の声
並木はスーツのままだったけど、表情はさっきと違って和らいでいた
「帰ってると思った」
「帰ろうとおもった!…けどその、これ、買えたし。お前のおかげだったから…」
押し付けるように、並木に渡す
並木は驚いたように受け取り、中を見て笑った
「お前って本当、面白い」
なんで笑うんだ?
こっちは真剣なのに!
「俺、帰るっ!」
「まぁまぁ。待てって」
腕を取られて、抵抗する
力強すぎ!ビクともしない
「昼飯。食いに行こう」
「もう食べたっ!」
「はいはい。お腹空いたろー?」
嘘がすぐバレ、引きずられるようにして歩く
「どこがいいかなぁー」
楽しそうに鼻歌を歌う並木
その横顔はやっぱ整っていて
俺みたいな普通な人間でも、整えればカッコよく見えるのかな
「そんなに見られると、俺でも結構恥ずかしいなぁー」
「嘘つくなよ。さっきから女の子の視線感じてるくせに」
「あー。ばれた?でも、別になんとも思わんよ」
「いいよな。顔がいい奴はさ」
言ってからやばいと思った。
嫌な言い方したよな…
「まぁなぁー!損することは無いか」
気にしてないみたいだ
それにホッとする
って!
別にいいだろ。こんな奴になんで思われたって!
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