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力づく
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結局、並木は言葉少なに新宿のデパートをまわり
俺も邪魔しないようあまり話しかけずにいた
そうしてると、いつの間にか15時はまわっていた
「助かったわ。女の子だと、あれこれ欲しいだの可愛いーだの煩くてさ。」
「いや、別に…でも、一人で行けばいいじゃんか。」
男2人で婦人服なんて、かなり目立ってたし
「えー!付き合ってんだからいいじゃん」
「付き合ってないからっ!」
並木は楽しそうに笑ってる
なんかムキになればなるほど、並木を楽しませてる気がする…
ふざけた奴だ、やっぱり!
「でも、やっぱりグロッサムは若い子に人気だったよなぁ。うちにも入れればいいのに」
考え込む並木に少し、ほんの少しだけど
ふざけるだけじゃない、仕事にひたむきな姿も見えて
絆された訳じゃないけど、決めつけるのも良くないとも思ってきた
「吉見」
「今度はなに?」
並木は意地悪そうに俺を見下ろして笑った。
「えっ」
嫌な予感
「ちょちょっとまって!」
腕をまた掴まれて、ズルズルと路地裏へ引きずられる
新宿の人通りの波に外れて、人気のないところへ連れ込まれる
通りかかる人もいない
大通りを歩く人は俺たちに気づきもしなかった。
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