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3週間 by拓真
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「お疲れさんー。並木くん、今日も売り上げ1番だね」
「はは、どうも…」
フロアマネージャーに肩を叩かれる
褒められても嬉しくない
女は単純
褒めれば喜ぶし、買いたいものが決まってるから背中を押せばいい。
その単純さが可愛いとも思う。
それより決して屈しなくて、我慢して、耐える姿
その方がずっと可愛いくて、愛おしい
「最初は、しょーもないフリーターが入ってきたなぁと思ったのに。あっという間に社員になっててさ」
「どうも…」
昨夜は一睡もできなかった
帰ってこないラインを何度も開いて
既読がついても返ってこないことを知って
また落ち込む。
「もうすぐ俺、転勤だからさぁー。次のフロアマネージャーは君にって推薦してるから」
「…ありがとうございます。」
遊びだった。
ちょっとした事情から男同士が絡み合ってる所を見たことがあって、それを蒼にやればどうなるかな?
なーんて最低な事を実験のようにして
蒼の顔は好きな方だったし、体も華奢で
だから俺は女のように扱えた。
でも次第に蒼の魅力に取り憑かれて…
「じゃあー!おっつー!」
「お疲れ様です。」
遊びだったんだ。
「最低だな、俺」
まさか、こんな気持ちになるなんて
落ち着け、俺
俺に限って男を本気で好きになることなんてない。
いや、女にも本気になることなんてない
もう、痛い目を見るのは嫌だ
裏切られるのは嫌だ
でも
この3週間は俺を確かに変えていた。
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