アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
果てに実る
-
僕は渇望する、二度と戻れぬあの瞬間を。
下された現実に涙も出ないけれど、
変わりに泣いてくれた君を愛しいと思えたよ。
違えたあの瞬間はもう戻らないのに。
叫ぶ叫ぶ君が叫ぶ
「やめろ!」と泣き叫んでいる
聞こえてはいるんだけど
君を護りたいという本能が
それを素通りさせて反応出来ない
(分かってるよ…)
君も僕も望まない展開に
僕の本能は庇護を理由に逆らえず
燻る白さに視界を遮られ目を閉じた
君は絶望する、事が終わった時の感情に。
抑えれぬ想いたち 叶わないことだとは
知ってる 慕ってくれるのに裏切るようで辛い
僕の所為だと言っても君は苦く笑う
走る走る僕は走る
「生きて!」と願いを込めながら
腕の中の体温は
僕の熱を奪って冷たくなる
だけど不思議と辛い悲しさはなくて
僕を支配するのは痛みだけで
君の抜け殻を前に僕は嘆くだけか
そうじゃない
しかと目を開けて心に刻もう
二人生きてた事
誰が覚えていてくれるのだろう
けれど確かに居たんだよ
相愛の二人が痛みに裂かれながらも
遠い遠い過去かもしれないけど
確かに生きていたと
愛を知った時、風が教えてくれた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 4