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愛の証1
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薄暗い部屋の中にゆらりと揺れる影が二つ。
一人の男が感情的に叫びながら恋人を殴っている。
「なぁ、拓己、アイツと話すなって言ったよな?俺がいないところで何してるかと思えばアイツなんかと楽しそうに……っ」
「ぐぁっ…だっ、て……」
「言い訳なんていらねーんだよ!!」
拳が何発も拓己の顔や体へと振り翳される。
痛みに呻きながらも、抵抗する様子はない。
どこかこの行為を受け入れているようにも見えた。
「なぁ、お前は俺の物だろ?俺だけがいればいいだろ?そうだろ?!」
「……っ、まこ、と…」
拓己の胸ぐらを掴み顔を寄せる誠。
痣や切り傷でぐちゃぐちゃになった顔で微笑みながら拓己は謝る。
「ごめん、なさい……。俺、誠だけだから。ほんとだよ……?」
その言葉に満足したのか誠は拓己を抱き寄せ、唇を食むようにキスをした。
「んむっ……んっ、ぅ……」
唇を離し、我に帰ったと思えば、わんわんと子供のように泣き出す誠。
「ごめん、ごめんな、痛かったよな……。うっ…ひっく、でも俺、拓己が他の奴に取られるんじゃないかって、ふっ、怖くて……。ごめんっ……」
鼻をずび、と鳴らしながら拓己の体を強く抱きしめる。
「大丈夫、大丈夫だよ。俺こそ、誠の気持ちわかってんのに軽率な行動してごめんね。大好きだよ?離れたりなんてしないから。だから大丈夫」
よしよし、と子供をあやすように誠の頭を撫でる。
「それに、わざとだから」
ぼそりと呟く拓己。
「……?」
「んーん、なんでもない。愛してるよ、誠」
そう言って誠を抱きしめた拓己は綺麗な顔で微笑んだ。
この痣も、行為も、全部全部、俺のもの。
俺だけの、誠。
end
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