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きけない
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「でねでね、あの時の奏が......」
どうも。奏です。
只今、日高による俺の過去話暴露大会なるものが謎に開催されています。
あのあと、しばらく沈黙が続いていたのだが急にあいつが思い出話をしだして、最初は俺も楽しく話していたのに何故か途中から俺の恥ずかしい過去話に変わり現在に至ることになった。
「あの時の奏も面白かったなー」
「そうだねー」
うん。そろそろ飽きてきた。苦笑いしかできない。
そもそも、自分の恥ずかしい過去なんて思い出したくもないのになんで俺、真面目に聞いてんだろ。
「ねー、ちゃんと聞いてる?」
「あ、うん。聞いてるよー」
いや、正直ほとんど聞いてない。聞き流しているよ。
というか、俺はこいつに訊かなければいけないことがある。
あの噂のことだ。本当にあいつが噂通りヤ、ヤっているのかこいつに直接、本当のことか訊いてやる。
「あのさ、ちょっといいか。」
「? なに?」
歩いていた足を止める。
つられて日高も足を止める。
心臓がバクバクいってる。ただ、質問して確かめるだけなのに、なかなか口が開かない。
(本当にこいつがヤっていたら?)
突然そんな思いが頭の中にはよぎる。
本当だとしたら俺はこいつのことを軽蔑してしまわないだろうか。
もし、軽蔑してしまったら...
そんな考えが俺の脳内でかけめぐる。
そして......
「やっぱりなんでもない。」
「えー!なんだったのー」
結局、俺は何も訊けなかった。
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