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特別編 日高の誕生日 パート6
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昔、俺とあいつが小学校5、6年くらいの時。
いつも遊んでいた公園で何故かあいつは泣いていたんだ。
毎年、自分の誕生日になると楽しそうにニコニコとしていたあいつが泣いていた。
滅多に泣かないあいつが泣いていたから俺は心配になったんだ。
だから、「どうした?」って俺は聞いたんだよ。確か。
じゃあ、あいつは
「もう、いやだよ…」
って、言ったんだ。
何が嫌だったのかは聞けなかった。
聞けばもっと泣くと思ったから。
同時に、これ以上泣いてほしくなかったから俺は公園を飛び出してあるものを買いに行ったんだ。
その時、買ったのが『あんぱん』だった。
何故あんぱんかは忘れたけどな。
で、俺は急いで戻ってきてまだ泣いたあいつにちょっと素っ気なくあげたんだ。
あ、この時も素っ気なかった…
ま、いいや。
きっとプレゼントをあげれば泣き止んでくれると思ったから。
また、いつもの笑顔になってくれると思ったから。
でも、あいつは余計に泣き始めた。
きっと俺のプレゼントが嫌だったんだと思った。
けど、そうじゃなかった。
だって、あいつは泣きながら笑って
「ありがとっ!」
って、言ってくれたから。
その時の笑顔はすごく輝いていたと思う。
その後、俺とあいつはあんぱんを半分にして食べたんだ。
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