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中平の肩を掴んで振り向かせる。
「お前...麗に何してんだ...」
獅琉が来たことにびっくりしているのか麗の大きな目が更に大きく開かれている。
こいつ目擦ったな...赤くなってる...
「えっ!?わ、若!?え?この子若の知り合い...隠し子!?」
中平の反応から麗が悪戯されていたわけではないことを悟り、ひとまず安心する。
「麗、この馬鹿に何かされたのか?おいで、帰ろう。」
優しく麗に言って手を伸ばすが、麗は大きく肩を揺らして首を振る。
「麗?」
「...っや...ぼく、かえらない...っ」
麗の言葉に再び頭が真っ白になる。
今なんて言った...?
麗は中平の胸に顔を埋めてしまう。
「麗?どうしたんだよ...若が呼んでるぞ?ていうかお前ほんとに何者なの?あの、若...こいつ一体...」
気に入らねぇな。
今麗を抱いているのが俺じゃないことも、中平が麗の名前を呼んでいることも。
こんなんじゃ、最初から麗を手放すなんて出来るわけなかったんだ。
「麗、いつも脱走すんなって言ってんだろ。俺から逃げようなんていい度胸じゃねーか。中平、よこせ」
「は、はい!」
中平から麗を受け取ってしっかりと抱える。
「迷惑かけたな」
「いえ...!......っていうか若、俺の事睨みすぎだろっ!こええ...」
「おりるのぉっ!や...ぁ!だって...しーがっ...」
麗はまだ腕の中で暴れているが無視して部屋まで戻る。
分かってるよ、俺が出て行っていいって言ったのにな...理不尽だよな...
でももう、手放してやれない。
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